先週、地元のいつも行っている美容室で美容師の方とこんなお話をしました。
「髪のカット代って経費になるの??」
この問に対して当たり前のように無理ですーーと答えるのは簡単です。
しかし、そこは独立を目指す者。もし経費になる可能性が1ミリでもあるならば検討するべきではないか!!
そう、私は個人である前に税理士予定の人なんです! 考えることをやめたらそこで成長が止まってしまう。目の前に壁があれば光刺しこむ穴を探してこそ税理士(予定)!!
こういう時こそ考える葦になるのです!
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さて、髪のカット代が経費になるかという論点ですが、まず前提として個人事業をやっている方の経費になるかということで考えていきます。
……というか、会社経理の場合で従業員に福利厚生として美容室代を支給したら普通に経費になりそうですね。その場合従業員側は給与課税されそうですが。この辺り突き詰めたら面白そうです。
まずは前提として、個人事業で経費となるものを考えなければいけません。基本的には、収入を得るために直接必要な費用が経費となります。原価とかだけでなく、取引先との食事とかも収入を得るための打ち合わせとか会議費として経費になります。
逆に言えば、別に収入に関係ない支出は経費になりません。それは家事上の経費ということになります。例えば毎日の食事とかですね。
ここで着目したいのが、同じ食事でも事業に関連して収入に繋がれば経費になるということです。
では、髪のカット代に話しましょう。
先程の前提に当てはめれば、同じ髪のカット代でも、収入を得るために必要なものならば経費になりますし、収入に関係なければ経費にはなりません。
ではどんな状況が収入に繋がる経費になりそうなのか。
①芸能人等の見られる仕事の方が仕事のためにした特別なカット代等
②雑誌掲載等のために特別に行ったカット代
③セミナー等を行うために特別に行ったカット代
上記内容等ならば髪のカット代を経費に入れることについて一考の余地があります。一考の余地があるだけで絶対経費になるわけではなく、前後の状況や実際の内容とかも加味する必要があります。
これらはどれも仕事のために特別に行ったものであることです。
毎月1回2回定期的に行っているカット代とはまた別物というものが分かります。カット内容についても、常連さん特有で説明が簡単な「伸びた分だけ」や「いつも通り」とは色が違うことが分かります。
ですので、生活の一部になっている定期的な髪のカット代は難しいですが、生活から外れた特別仕様のカットなら経費になる可能性も有る、ということになります。
それでは、ここからさらに質問を受けた美容師の方に戻しましょう。
美容師の方は髪を切ることを生業としている都合上、髪のカット代についても単純な生活の一部以外のものもあると思います。
例えば、有名美容師の方に自分のスキルを向上させるために自らの髪をカットしてもらう、とかならば収入に関連するものですので一考の余地があります。
この場合は、研修費といった形で経理処理が出来る可能性がありますね。この場合であっても「伸びた分だけ、いつも通り」という注文ではなく、「こんな長さのこんなヘアスタイル」といった指定があればなお研修内容の説明、ひいては収入に結び付く説明がしやすくなります。
これもやはり、仕事のために特別に行ったものであるため、定期的ないつも通りカットでは経費にならない可能性が高いと思われます。
結論としては、収入に関係する生活の一部から外れた特別なものであれば経費として一考の余地がある、ということになります。
これで1つの結論が出ましたね。これで(軽い気持ちで)質問してくれた美容師の方にも知識を届けられるという訳です!
「まぁ俺奥さんに切ってもらってるから散髪代かからないんですけどね~!!」
経費ないじゃん!!