フリーランス

開業前後のフリーランス・個人事業主の方向けに知っておきたい情報②次も手遅れにならないために。開業時に必要な書類

 前回のあらすじ!

ジャガーネコ
ジャガーネコ
ミケさんは開業する時に何か届出って出した?
ミケ君
ミケ君
え、にゃにか必要なものがあるの?

 

~去年1年間で結構な利益の出たミケ君。この時期になり確定申告を意識し始めるたのですが~

ジャガーネコ
ジャガーネコ
何か事業を始めたりする時は、税務署に届出を提出しないといけないんだよ。
ミケ君
ミケ君
えーにゃにそれ。そんなの何も出してないよ。も、もしかして何か罰則が……?
ジャガーネコ
ジャガーネコ
罰則は特にないけど、届出っていう紙切れを出せば受けることが出来る税金が安くなる優遇処置を受けられることが出来なくなるんだ。そういう意味では、税金を少し高く払う羽目になるから罰則みたいなものかもね。

 

開業時に提出が必要な届出

 確定申告時期真っ只中ということで、ミケ君のようにこの時期に「去年1年間の事業に対する確定申告をしないといけないかも?」と意識を始める方は少なくないと思います。

 私の周りでも、最近結構な利益が出始めたんだけど、確定申告ってどうすればいいの? という声をいただいております。

 色々とヒアリングをすると、以下のような内容が多いです。

 ・その仕事を始めたのは2年位前かな

 ・ずっと赤字だったから特に何もしてなかったんだけど、最近は黒字になってきたから確定申告必要なのかなと思って

 ・え、開業時に何も手続きしてないけど、何か手続きが必要なの?

 社会人時代にフリーランス業をスタート→最初は土日のみの片手間で商いを行う→段々と軌道に乗ってきたら会社をやめて本業に移る

 収入が見込めない最初の方は会社員を行いながら安定した収入を確保し、副業として将来行いたい事業の前身的な業務を行う。その後、認知度が高まってきたり常連さんや安定した信頼できるお客さんがついてきたら会社員を退職して本業に移る。

 という流れを意識して開業する方は多いと思います。非常に計画的で現実的でリスクを回避する方法を考えており色々考えていると思います。

提出が必要になる主要な届出

 ここでは、従業員を雇わずに1人で行うフリーランス・個人事業主の方を対象に掲載しております。

開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)

 開業商業大企業!!

 その名の通り開業届です。名前で全てを物語っているので特に解説するところがないぐらい完成されていますね。

・主な記載事項

  • 納税地
  • 納税地以外の事業地
  • 氏名・生年月日
  • マイナンバー
  • 職業・屋号
  • 青色申告承認申請書を一緒に提出するかの有無
  • 消費税の課税事業者選択届出書を一緒に提出するかの有無

・提出期限

 開業から1ヶ月以内(2019年1月1日に開業したなら、2019年2月1日まで)

その他

 正式名称は個人事業の開業・廃業等届出書。廃業する時も全く同じ用紙を使用した兼用です。事業はこの紙切れ1枚で始まりこの紙切れ1枚で終わるのです。

 上記①~⑤については何となくわかると思いますが、大切なのは⑥と⑦。このうち、対象者を選ばない⑥については次で軽く解説します。

青色申告の届出(正式名称:青色申告承認申請書)

 透き通った青空のような申告を行うという理由で青色が名付けられた。

 青色申告という言葉自体は耳にしたことはある、という方も多いのではないでしょうか。

 青色申告というのは、税務署に対して「きちんと取引とか記録した書類を作ってちゃんとした申告するよ~」という意思表示のようなものです。

 ちゃんとした申告をしてくれる代わりに「税額が安くなったりする色んな優遇処置を与えるよ~」という青色申告特有の優遇処置が受けられます。

 フリーランス・事業者側は税金が安くなり、税務署側は整備された書類を受け取れるwin-winの関係にあるものと言えます。

・主な記載事項

  • 納税地
  • 納税地以外の事業地
  • 氏名・生年月日
  • 職業・屋号
  • 業務を開始した日
  • 取引の記録の方法
  • 取引の記録を記した書類の作成内容

・提出期限

 新しく事業を始めてから2か月以内又は1月1日~1月16日の間に始めていたら3月15日まで(2019年4月1日に開業した方は2019年6月1日まで。2019年1月1日に開業した方は2019年3月15日まで。)

その他

 開業届と記入内容はかぶっているところも多いですね。こちらはより具体的に、どうやって取引を記録しているのかについての記入も求められます。

 この紙切れ1枚を出すか出さないかで税額が数十万円変わることもある恐ろしい紙です。

市区町村への開始届出(正式名称:事業開始(廃止)等申告書)

 個人事業税ってなんですか。

 所謂、各市区町村に対して提出する開業届。先程の開業届が国に対して提出するもので、こちらは事業所のある市区町村に提出するものです。

 村長に対して「このシマで事業始めさせてもらいます!!」という届出という感じでしょうか。東京都では都税事務所になったりしてますが。

・主な記載事項

  • 事務所の所在地
  • 屋号・事業の種類
  • 自宅の住所地・氏名

・提出期限

 各自治体により異なる。例として東京都の場合には、開業から15日以内

その他

 国に対する開業届に比べると、内容が簡素で記載事項も多くありません。但し、各自治体によって提出先や提出期限が違うので注意。

 東京都の場合、開業から15日以内に出さないといけないので、地味に開業時に必要な書類の中で最速の提出を求められたりします。

取引を記録した書類を紙媒体ではなくデータで保存する場合に必要な申請書(正式名称:国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請書)

 分かりやすい名前が思い浮かばない。

 紙で取引を記録しないで、パソコン上で保存したりする場合にはこちらの提出が必要。提出していない場合には、パソコン上で作ったデータを印刷して紙にして保存しないといけません。

・主な記載事項

  • 住所
  • マイナンバー
  • 氏名
  • データ保存する書類の名称等
  • データ保存に使用するパソコン等の名称等
  • その他データに関する事項

・提出期限

  開業後2月以内又は、データ保存を開始する年度の前の9月30日まで(2019年1月1日に開業した場合は2019年3月1日まで。それ以外で2020年に確定申告にする書類をデータ保存する場合には2018年の9月30日まで)

その他

 こちらについては特に必須ではなく、ノートとかの紙媒体で取引を記録する場合には特に提出が必要ありません。エクセルや会計ソフト等で記録する場合には、この申請書を提出しましょう。

 令和2年である今年1年間からは、このパソコン上で保存するか電子申告をしないと税金が高くなって損するようになったので、なるべく出しておきたいところ。

去年分は実はもう間に合わない

 それでは、具体的に何をいつまでに提出すればいいか日付で見ていきましょう。

 内容としては、2019年1月1日に実質的に開業をして、今の時期に確定申告しようかどうか悩んでいるフリーランス・個人事業主の方をモデルに行います。

  • 開業届:2019年2月1日まで
  • 青色申告の届出:2019年3月15日まで
  • 市区町村:各自治体によって異なる(東京都の場合2019年1月15日)
  • データで保存する場合に必要な申請書:2019年3月1日

とりあえず、今現在やっている確定申告については全て間に合わないです。

 開業届出していない=事業を行っていない=確定申告をしなくよい。ではないので注意。一定の収入があったら確定申告はしないといけません。

 この中で、特に①、②に関しては直接税額に影響してきます。人によっては数十万単位で税額が変わってくることも。

ミケ君
ミケ君
何1枚だしてないにゃー……
ジャガーネコ
ジャガーネコ
届出は提出期限を超えたら受け付けてもらえないから、開業前後には税理士に相談してほしいんだ

 次回は、ここの②に焦点を当てて青色申告について解説します。

次回予告

ジャガーネコ
ジャガーネコ
具体的に、もしミケさんが青色申告をやって場合は、〇〇万円くらいは最低でも税額安くなるかもね
ミケ君
ミケ君
そんにゃに? ちゅーる何本分かにゃー…