前回、所得税において、収入が同じくらいのはずなのに税額が異なる理由等について解説していきました。
相続税においても、同じような噂を聞くことがあります。
向かいの家と同じくらいの財産額だから、うちも相続税は大丈夫よね。
実は、相続税についても、財産額だけでなく相続税を決定する要素が多々あります。
当事務所では、相続税申告の他、相続税の税額試算・対策などのサービスを提供しております。
また、複雑な計算やどの資料を集めれば良いかが分からず、遺産総額が不明でお困りの方向けに、遺産総額簡易確定プランも提供しております。
相続前後でお困りの方に寄り添ったサポートを心がけ、誠実に対応致します。
何かございましたら、お気軽に下記ページよりどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
Contents
相続税の計算を構成する要素
相続税は、遺産=財産の総額に対して課税される税目になります。
前回紹介した所得税などのように、差し引く経費という概念が認識しにくいですね。
同じだけの財産であれば、相続税も同じ……と思いきや、実はこちらも色々な事情で税額に差が出るケースがほとんどです。
身近なものとしては、以下の通り。
- 土地の減額要素による相続税の差
- 隠れた財産・名義預金による相続税の差
- 借金等の債務や葬式費用の差
- 事前の贈与による相続税の差
- 特例を適用することで発生する減額による相続税の差
土地の減額要素による相続税の差
土地は、その形状や周辺環境によって金額に大きな差が出ます。
真四角で綺麗な土地と、歪んだ形の土地があるとして、同じ広さなら同じだけの価値があるでしょう!とはならない訳です。
やっぱり、綺麗な形の土地の方が評価は高いんですね。
向かいのお宅と同じくらいの財産……と言っても、うちが真四角な土地、向かいのお宅が入り口が狭くて奥ばったところに家がある旗竿地では、税額に大きな影響を与えます。
向かいのお宅でも、土地の形状に差があると、税額にも差が出るケースは多いですね。
隠れた財産・名義預金による相続税の差
名義が亡くなった方ではなくても、実質的に亡くなった方が管理していた場合には、名義財産として財産に計上されることになります(逆に、亡くなった方の名義で合っても、管理していなければ逆名義財産として計上しないケースも。)。
こちらは、どちらかというと相続税が増額になることによって税額に差が出るケースでしょうか。
向かいのお宅と財産が同じ……と思っていたら、実は他の人名義で実質的に亡くなった方の財産があった!というケースですね。
あまりなさそうですね。
借金等の債務や葬式費用の差
亡くなった方に借金がある場合や、発生した葬式費用は相続税の計算上、財産額からマイナスすることが出来ます。ニュアンス的には、収入から差し引く経費みたいな感覚です。
向かいのお宅と財産額は同じくらいだが、実は借金が多くあって向かいは相続税がなかった……というケースですね。
相続税はなくても、支出すべき債務が残っているので、財産総額という面では、向かいのお宅よりも多く持っているのかもしれません。
事前の贈与による相続税の差
コツコツと毎年贈与をしていった場合
一見同じような財産額に見えても、相続税対策で毎年コツコツと財産を贈与して言った場合、最終的な相続税で差が出ることがあります。
過去3年分は相続税の計算上加算されますが、それ以前は基本的に考慮しないので、この事例は数年かけた相続税対策の成果が出た印象ですね。
相続時精算課税制度を使っていた場合
過去に相続時精算課税制度を使っていた場合、その贈与は何年経っても、贈与者が亡くなった際に相続税の計算により精算されます。
同じような財産額に見えたと思いきや、実は過去に多額の精算課税による贈与を行っていたことにより、税額に差が出るパターンですね。
精算課税制度が誕生してから十数年経過しました。そろそろ、精算課税制度が表面化してくる頃……かもしれません。
特例を適用することで発生する減額による相続税の差
相続税には、相続税額のガクッと減らす特例があります。
同じ財産額であっても、その特例の使用により、相続税に大きな差が出ることは少なくありません。
一見同じような財産額に見えて、実は特例を使用していた!ということで税額に差が出るケース。こちらはそれなりにありそうですね。
上記の事項は、相続税が得意な税理士の腕の見せ所
上記に挙げた事項は、相続税の計算上考慮しなければいけない事項ですが、税理士によって結果が分かれるところもであります。
適正な土地評価により、確実に減額要素を反映出来たり、名義預金を確認することで税務調査対策をしっかりと行う、特例の適用有無の判定等々……
相続税が得意な税理士にとって、この辺りは特に腕の見せ所になります。
向かいのお宅と財産額が同じくらいなのに、うちの方が高かった!という原因には、税理士さんに依頼したか否かによる、検討漏れもあるかもしれませんね。
相続税額の差異に疑問がある時は、そのまま流すのではなく、税理士さんに相談して解決するのもお勧めです。
まとめ
・土地の形状や名義預金等により、相続税額には差が出る。
・借金の有無などにより、相続税額に差が出る。
・特例の適用有無によって、相続税額に差が出る。
・上記の内容は、相続税が得意な税理士の腕の見せ所。
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このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。