こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
前回は、年末調整と確定申告の違いについて解説しました。
前回の違いの他、年末調整では対応できず、確定申告での対応が求められる手続きがいくつかあります。
そのうち有名なものといえば、医療費控除。
医療費控除=還付金といったイメージをもたれている方は多いのではないでしょうか。
それでは、医療費控除は本当に還付金に係る手続きなのでしょうか。
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
また、確定申告依頼のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
Contents
医療費控除とは!
医療費をたくさん払っているなら、税金を支払う余裕はそんなにないよね、という規定
この1年間に医療費等を支払った場合には、医療費控除の規定によりそれだけ税金(所得税・住民税)が安くなります。
ケガや病気などにより、医療費をたくさん支払っている方と健康(の維持にもお金はかかりますが。)の方。この2人がいた場合、医療費により不可避な多額の出費があった方と特に何もなかった方を比較すると、仮に同じ収入であっても手元に残るお金には差が出てしまいます。
それにも係わらず、その不可避の支出を考慮せずに同じだけ税金をかけるのはやっぱりおかしいよね、ということで、医療費等を支払った場合にはそれに応じて税金を安くする制度として医療費控除が規定されています。
医療費控除は税金を安くするもの
前述の通り、医療費控除は税金を安くするための規定。身近なもので言うと、社会保険料控除と同じような扱いとなります。
実は、「支払った医療費が戻ってくる。」「支払った税金が戻ってくる。」という言葉は全然出ていないのですね。
医療控除=還付?
今日の医療費控除の印象と言えば、やはり還付というものが強いのではないでしょうか。
しかし、先程紹介した通り、医療費控除は多額の医療費負担を強いられた方に対して、税額負担を軽くする配慮として規定されたものです。
なぜ、医療費控除と言えば還付!といった印象が強くなったのでしょうか。
どうして、医療費控除=還付という印象がついたんだろう
会社員の方が確定申告する機会といえば、ほぼ医療費控除だったから?
前回紹介した通り、会社員の方は基本的に年末調整で税額が確定し、確定申告を行う必要はありません。
しかし、今紹介している医療費控除の適用を受ける場合には話が異なってきます。
実は、医療費控除は年末調整では加味することが出来ない=会社員の方であっても医療費控除を受けて税金を減らす場合には確定申告が必要となります。
会社員の方が確定申告する理由=医療費控除を受ける、というケースがかなり多かったのではないでしょうか。
もし、会社員の方が医療費控除を適用して確定申告した場合には、どうなるのでしょう。
会社員の方が医療費控除で確定申告すれば、結果的にほぼ還付になる
会社員の方の場合、年末調整でお給料に関する税額が適正額に確定しています。
その後、医療費控除を使用して、年末調整で加味出来なかった税金の減額規定を適用した場合、ほぼ必ず年末調整で確定した税金は、納めすぎという結果になります。
その結果、医療費控除を適用して確定申告した場合には、納めすぎた税金がほぼ還付されます。
これらの印象により、医療費控除=還付といったイメージが出来てきた……のではないでしょうか。
高額療養費という支払った医療費が戻ってくる規定もある
税金関係とは異なりますが、医療費控除のイメージである「支払った医療費が戻ってくる。」手続きも実は存在しています。
それが、高額療養費という制度。こちらは税金関係ではないので詳しくは控えますが、一定の金額以上の医療費を支払った場合に、一定額を超えた医療費が戻ってくる規定になります。
多額の医療費が発生した際に起こりえる医療費控除と高額療養費。一括して把握されている場合もあるのかもしれません。
還付されるものはあくまでも「税金」。支払った医療費が直接戻ってくる訳じゃないので注意
前述の通り、医療費控除を適用した確定申告で還付されるのは、あくまでも「納めすぎた税金」となります。
税金を納めていなかった場合には、還付ではなく税額の減額にとどまる。
そもそも、税金が発生しなかった場合には、医療費控除の適用自体が影響を及ぼさない。
など、医療費控除は「支払った又はこれから支払う税金」に影響を及ぼす規定となります。
医療費が戻る訳ではないので、注意しましょう。
医療費控除だけのご依頼でも!
当事務所では、事業収入等だけでなく、医療費控除の適用を受けるためだけの確定申告のご依頼も承っております。
何か不安点や不明点がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせ下さればと思います!
まとめ
・医療費控除は、税金を減額させるもので医療費の還付ではない。
・会社員の方が医療費控除のために確定申告をすると、ほぼ還付になる。
・税金ありきの規定のため、そもそも、税金が発生しない場合には医療費控除の適用自体が影響を及ぼさない。
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
また、確定申告依頼のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。