こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
最近流行りの株式投資。単純に株式の売買により利益を得る方法の他に、配当金をもらうことにより収入を得る方法もあります。
非課税口座等、最近では株式投資への促進が著しく、株式投資を行っている方もよく伺います。
身近なものになってきた株式配当。
配当金に係る確定申告の兼ね合いはどうすれば良いのか不安に思う方も少なくないのではないでしょうか。
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
また、不動産売却を含め確定申告依頼のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
Contents
上場株式に係る配当は確定申告の際どうすればいいの?
一般的な株式投資としては、上場株式に係るものがあげられます。
上場株式に係る配当の収入については、配当を受け取る際に税金が天引き(源泉徴収)されています。もらった時には既に税金納付済みという形になってます。
その際、確定申告においては以下の3種類の中から選択することが出来ます。
- 申告不要
- 総合課税
- 申告分離課税
それぞれを選択した場合のメリット、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
配当収入を申告不要にしたらどうなる?
源泉徴収されていることから、何もしなくても良い
申告不要はその名の通り、当該配当収入は申告しなくて良いですよ。というものになります。
「申告不要を選択した書類」「申告不要のための手続き」等も特にいりません。何もしないでも申告不要となります。
というよりも、他の方法を選ばずに何もしなかった場合には受け皿的に申告不要制度を選択したという印象ですね。
また、確定申告上で全く収入が出てきません。申告不要を選択した場合、ぱっと見では配当収入があったのかなかったのか見分けがつきませんね。
申告不要のメリット
- なにも行わなくて良いので手間が全くない
- 収入が全く出てこないので、収入が要件となっている規定に引っ掛からない(配偶者控除や扶養控除、その他健康保険の負担割合など)
申告不要のデメリット
- 源泉徴収の精算が行えない
- 配当控除が行えない
- 収入が全く出てこないので、確定申告書上では収入の証明が出来ない
配当収入を総合課税にしたらどうなる?
お給料等と合算して累進課税
配当収入を総合課税として確定申告した場合には、お給料や事業所得など他の収入とあわせて超過累進税率により課税されます。
他の収入が多額の場合、多くの税負担になる一方、そこまで多くない場合には後述の配当控除も相まって税負担を軽減することが可能です。
配当控除を受けることが可能
総合課税の場合、配当控除という税額控除を適用出来ます。配当収入の10%(一定の場合には5%以下になります。)を税額からダイレクトに控除することが可能です。
これに加えて、源泉徴収の精算も行えるため、総合課税にすると還付を受けることが出来るケースも少なくありません。
総合課税のメリット
- 配当控除を受けて税額を軽減できる
- 源泉徴収の精算を行える
- 収入の証明の1つになる
総合課税のデメリット
- 確定申告が必要なため手間がある
- 配当控除や源泉徴収の精算など、算定が複雑
- 収入が計上されるため、収入要件のある規定に引っ掛かる
- 住民税も10%課税されるため、住民税は別途申告不要の手続きが必要
配当収入を申告分離課税にしたらどうなる?
金額がいくらであっても、税率は一定となる
申告分離課税を選択した場合、金額がいくらであっても所得税15%(+復興税)住民税5%で一定額となります。
ただ、源泉徴収も上記の税率で行われているため、単体で確定申告をする場合には基本的に意味がありません。
この方法の特徴として、上場株式の譲渡損がある場合にはそちらと通算出来ます。
というより、譲渡損があり、そちらと通算する場合にしかほとんど選びません。
申告分離課税のメリット
- 上場株式の譲渡損失と通算できる
- 源泉徴収の精算が行える
申告分離課税のデメリット
- 配当控除が使えない
- 上場株式の譲渡損失がなければ基本的に意味がない
- 収入が計上されるため、収入要件のある規定に引っ掛かる
配当は基本的に申告不要が無難。確定申告で得をしたいならその他の方法を検討
配当収入を得た場合、基本的に申告不要にするのが一番無難です。
総合課税にして配当控除を受ける場合、状況によってリターンは大きくなりますが住民税の申告や健康保険料まで考えなければならず、非常に複雑。
また、上場株式の譲渡損失がある場合には申告分離を選べば、通算して源泉徴収の還付を受けることが可能ですが、こちらも確定申告が必要になります。
手間と状況を天秤にかけて、どの方法を選ぶか検討しましょう。
まとめ
・一番楽で無難なのが申告不要制度
・一番手間がかかるがリターンも見込めるのが総合課税
・特定口座等で上場株式の譲渡損失もある場合に使用する申告分離課税
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
また、不動産売却を含め確定申告依頼のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。