こんにちは。立川のネコ好き税理士藤本です。
昨年末、渋谷ヒカリエにて開催されたハイキュー!!展に行ってきました。
昨年の夏に堂々の連載終了したハイキュー!!を記念した原画展でとても楽しかったですね。他にも渋谷の街の至るところにハイキューキャラのポスターが貼られたりとまさにハイキュー一色!
昨年末~1月中旬にかけての開催ということもあり、新型コロナウィルスの影響により中止にならないかと気が気でなかったのですが、無事開催されて、とても嬉しかったです。
しかし、昨年は新型コロナウィルスの影響により、多くのイベントが中止になってしまいました。
これらの影響を受け、今年限りの措置として、チケットの払い戻しを受けなかった場合に税額を軽減する措置が取られています。
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
また、不動産売却を含め確定申告依頼のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
Contents
チケットの払い戻しを受けなかったことに伴う税額軽減措置
特定のイベントで払い戻しを受けなかった場合には税金が安くなる
新型コロナウィルスの影響を強く受けたイベント業界。イベントの中止等により、チケット購入者に対してチケット代金の払い戻しが多く行われたことになりました。
そんな現状を受けて、令和2年度のみの特例措置として、以下のような税額優遇規定が制定されました。
特定のイベントにおいてチケットの払い戻しを受けなかった場合には所得税及び住民税が安くなる。
取扱いは寄付金控除として取り扱われる
上記の取り扱いは「寄付金控除」という現行の規定内で取り扱われることになります。かの有名なふるさと納税と同じ規定ですね。
ただ、寄付金控除の中にも更に種類があるので、ふるさと納税とは少し取扱いが異なります。具体的な取り扱いとしては、認定NPO法人等に対して寄付をした場合の取り扱いをほぼ準拠している印象ですね。
それでは、どれくらいの税額が軽減されるのでしょうか。
どれくらいの税額が軽減されるの?
最大で払い戻しを受けなかった金額の50%(又は40%)だけ税額が安くなる
チケットの払い戻しを受けなかった場合には、所得税と住民税を合わせて、チケット代金総額から2千円を差し引いた残額の約50%分だけ安くなります。
例えば、10,000円と6,000円の2枚のチケット代金の払い戻しを受けなかったとします。
この場合、(10,000円+6,000円-2,000円)×50%=7,000円だけ税金が安くなります。
但し、各々の元々の税額に伴う上限額があるので注意しましょう。
所得税では40%分だけ安くなる
ご存じ確定申告により納付する所得税では、チケット代金(マイナス2千円)の40%分だけ税額が安くなります。
上記の例だと5,600円分税額が安くなります。会社員さんの場合には5,600円還付が受けられるケースが多くなりますね。
ちなみに、1年の純利益が4,000万円を超えている方の場合には45%になったりします。
住民税では10%分だけ安くなる
分割納付や天引きの住民税では、チケット代金(マイナス2千円)の10%分だけ税額が安くなります。
上記の例だと、1,400円だけ住民税が安くなります。会社員さんの場合には、毎月の手取額が120円程増えるイメージですね。
但し、この10%減が受けられるかどうかはご自身が住んでいる自治体によって異なるので事前に確認をしましょう。
なお立川では、10%安くなるような措置が取られています。
ちなみに、私の事務所がある立川では上記の10%住民税が安くなる措置が取られています。
パッと見た限り、この措置を取っている自治体が多い印象ですね。
払い戻しを受けた場合とこの措置を受けた場合との差異
3人の登場人物から考える
実際に払い戻しを受けた場合とこの規定により税額が安くなる場合とで、それぞれにどれくらいの差異が出るのでしょうか。
チケット取得者(皆さん)・主催者・国等の3人の登場人物でそれぞれ確認していきましょう。
払戻金額は先程と同じく合計16,000円の場合で確認してみます。
払戻を受ける場合
チケット取得者→16,000円受取(プラスマイナスゼロ)
主催者→16,000円返金(プラスマイナスゼロ)
国等→何もなし
払戻を受けない場合
チケット取得者→7,000円分だけ税額が安くなる(9,000円-)
主催者→16,000円+
国等→7,000円だけ税金が安くなる(7,000円-)
総計・払戻を受けた場合との比較
払戻を受けた場合、主催者の負担になります。
払戻を受けなかった場合、チケット取得者と国等でそれぞれ負担をします。
実際に適用を受けるまでのステップ
まずは中止になったイベントがこの措置の対象になるかを確認
下記の文化庁HPより、対象になったイベントがこの措置の対象になるか否かを確認します。
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/sonota_oshirase/covid19_info/donate.html
ちなみに、私が行ったハイキュー展は払戻措置を取っていましたがこの措置の対象イベントでなかったので、払戻を受けなかった場合でも対象になりません(そもそも、中止になってない。)。
主催者の方に払い戻しを受けない旨を伝えて証明書を交付してもらう
指定行事証明書・払戻請求権放棄証明書の2点を主催者の方に連絡して取得しましょう。
こちらの証明書を確定申告の際に提出します。
確定申告の寄付金控除欄・裏面の住民税等の欄に記入
確定申告の寄付金控除の欄と裏面の住民税等の欄にチケット代金を記入し、確定申告を行います。
会社員の方であっても確定申告が必要になるので注意しましょう。
これで手続きは完了です。ふるさと納税での確定申告と(書類が異なるだけで)大体一緒という感覚ですね。
全額の払い戻しを受けるか、全額主催者に寄付して国や地方自治体にも一部負担してもらうか
新型コロナウィルスの影響により楽しみになった多くのイベントが中止等の憂き目にあってしまいました。
あまり知られていない印象ですが、払い戻しを放棄して税額軽減を通すことで、主催者の方の負担を多少でも軽減して直接的な支援が出来ます。
応援するイベントの中止になり憂き目にあってしまった方、1つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
・特定のイベントのチケット代金の払戻を受けないことで所得税住民税が安くなる
・税額軽減額は、チケット代金-2千円の最大50%
・手続きは、主催者から特定の証明書をもらい確定申告を行うだけ
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
また、不動産売却を含め確定申告依頼のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。