こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
個人事業主の経費で個人事業主以外の方が思い浮かぶものの代表として接待交際費があります。
いわゆる、お店での飲食代ですね。私も税理士として自分で行っているのですが、色々な方から「この飲み会は経費で落ちるよね!」等々と言われることがあります。
それでは、本当に経費で落ちるのでしょうか。
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
Contents
接待交際費である飲食代は必要経費に算入される?
業務の遂行上必要であったり、業務と直接関係すれば必要経費に算入する
取引先や同業者との意見交換等を行う場である接待交際。飲食の場で行われることが多くあります。
これらの飲食費が必要経費に該当するか否かは色々考えるところではありますが、基本的に業務の遂行上必要なものであったり、業務と直接関係する飲食費であれば必要経費に算入されます。
それでは、否認される例は?
しかし、飲食費が業務に直接関係するか等の判断は少し難しいところ。
今回は、参考に接待交際費の必要経費算入の件で争った裁決事例を紹介します。
出典
出典:国税不服審判所ホームページ(令和3年4月20日裁決・争点番号200904061)
なお、裁決事例集には登載されておりません。
令和3年4月20日裁決・接待交際費の必要経費の有無で争った裁決事例
請求人(納税者側)の主張
事業所得の金額の計算上、必要経費に算入できないと更正された接待交際費。
しかし、これは業務遂行上の必要性が認められるはずである。
よって、この接待交際費は事業所得の金額の計算上、必要経費に算入できる。
原処分庁(税務署側)の主張
請求人が接待交際費であるとするその費用は、その支出が、請求人の事業に係る業務と直接関連したり、業務の遂行上必要であったことを認めるに足りる証拠はない。
また、接待を伴う飲食店又は通常の飲食店の飲食代については、3年間の合計で10,000,000円をも超える支出となっている。
このような支出は、客観的にみて、請求人の業務と直接関連し、かつ、業務の遂行上必要な支出であるとは認められない。
よって、この接待交際費は事業所得の金額の計算上、必要経費に算入できない。
結論
棄却(必要経費に算入できない。)
本裁決のポイント
あまりにも多額の接待交際費であることやその他の証拠もない
今回のポイントとして、客観的にみて、その接待交際費が請求人の業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要であるとは認められないことでした。
接待を伴う飲食店、という記載から、当該接待交際費の中には、夜のお店も含まれていたことが想定されます。
これらの接待交際費が業務と直接関係ある証拠がないことがまず1点。
また、3年間で10,000,000円を超えるという多額の金額の支出は、客観的にみても業務の遂行上必要であるとは考えにくい点が1点。
上記のような内容から、当該接待交際費は、業務に直接関連せず、業務の遂行上必要であったことを認められないという判断で、事業所得の必要経費に算入できないという結論でした。
個人事業主以外の方が思い浮かぶ接待交際費は全部が全部経費になる訳ではない
私もたまに言われることがあるのですが、個人事業主だからといった飲食費が何でもかんでも経費になる訳ではありません。
例えば、お正月に地元に帰った際に、地元の友人との飲食費は当たり前ですが経費にはなりません。
また、そもそもの注意点として、自分が全て支払って経費として税額を減らすよりも、割り勘をした方が手元に残るお金は多くなります。
飲食費の経費性は主観も入ってしまうため難しいもの。
しっかりと検討して確定申告していきましょう。
まとめ
・業務と直接関連し、また、業務の遂行上必要であったものでなければ算入出来ない
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。