こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
遂に確定申告の時期到来!売上が一定の規模以上ある方については、所得税だけでなく消費税の確定申告も必要ですね。
消費税の確定申告が入ると、課税売上の種類や課税仕入れ、対象外といったところの区分を行わなければいけないため、途端に複雑になります。
例えば、人件に対して支払う費用であっても、給与なら対象外・外注費ならば課税仕入れということになります。
それでは、外注費の取扱いはどのようなものになるのでしょうか。
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
Contents
消費税確定申告上の外注費の取扱い
基本的には課税仕入れで控除することが出来る
人件費の代表格といえばお給料。雇用関係にある者同士での支払ですね。
その一方、近年増えている人件費が外注費。他の事業者に対して業務を依頼することですね。所謂、下請けとも。
お給料では消費税が発生しない一方、外注費の場合には消費税が発生し、課税仕入れにて控除することが可能です。
但し、課税仕入れの要件を満たしていることが必要
但し、名目が外注費だからといってその全てが課税仕入れとして控除出来る訳ではありません。
当たり前ですが、消費税法における課税仕入れの要件を満たしていなけれいけません。
その要件の1つに「役務の提供等を受ける」というものがあります。
外注費という名目で支払った場合でも、何もサービスを受けていない場合では課税仕入れに該当しない、ということですね。
今回は、参考に外注費で争った裁決事例を紹介します。
出典
出典:国税不服審判所ホームページ(令和3年6月3日裁決・争点番号500601010)
なお、裁決事例集には登載されておりません。
令和3年6月23日裁決・役務の提供がない外注費の課税仕入れで争った裁決事例
請求人(納税者側)の主張
外注工事の対価としてA社に支払った金額は、事業活動の対価を伴った支出で、正当なものである。
そのため、本件支出金は消費税法第30条第1項の仕入れに係る消費税の控除に規定する仕入れに係る支払対価の額に該当する。
よって、本件支出額は仕入税額控除の適用がある。
原処分庁(税務署側)の主張
消費税法第30条第1項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額に該当するには、課税仕入れに該当しなければならない。課税仕入れに該当するには、その支払の反対給付として、A社から請求人に対する役務の提供が行われている必要がない。
しかし、A社から請求人に対しては役務の提供が行われたとは認められない。
よって、本件支出額は課税仕入れに係る支払対価の額に該当せず、仕入税額控除の適用を受けることは出来ない。
結論
棄却(課税仕入れに係る支払対価の額に該当せず、仕入税額控除の適用を受けることは出来ない。)
本裁決のポイント
課税仕入れに係る支払対価の額に該当するには、役務の提供を受ける必要
消費税法に規定する課税仕入れでは、事業者が事業として役務の提供を受けること等を指しています。
今回のケースでは、確かにA社への金銭の支払いはあったのかもしれません。しかし、その支払に対するサービスを受けたとは認められず、役務の提供がなかったことから課税仕入れに該当せず、課税仕入れに係る支払対価の額には該当しないという判断ですね。
何も受けていないのにお金だけ支払うのは、いうなれば寄付と似たようなもの。それに対しては、消費税はないということですね。
資産の譲受やサービスの提供を受けて初めて、消費税が発生するということですね。
外注費の問題は結構複雑
近年増えている外注費。そもそも、外注費に該当するか給与に該当するか自体もかなり複雑なところ。
どちらが有利だからといったところではなく、より実態に合った内容を適用しなければいけません。なんちゃって外注(業務委託)も数多くありますしね。
これからの確定申告、人件費でも多角的に検討していきましょう。
まとめ
・役務の提供を受けていない外注費は課税仕入れに係る支払対価の額に該当しない
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
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このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。