現金水筒帳
コロナウィルスの影響が収まらない今日この頃。とはいえ、日々の取引がなくなる訳ではなく、会計帳簿自体の作成は変わらずやらなければいけません。
今年は確定申告関連の届出について、特例な取り扱いが多く、青色申告の承認申請書についても、個別的にまだ提出の余地があるとのことです。
青色申告をする場合には、どんな帳簿書類を作成した方が良いのでしょうか
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現金出納帳(げんきんすいとうちょう)・銀行帳の概要
現金(預金)の入出金の全てを記録する書類帳簿のことを言います。水を入れる容器ではありません。
イメージとしては、レジの中のお金。売上が入ればレジの中にお金が入るため現金がプラス、レジの中から仕入代金等を支払えば現金が出ていくため、マイナス。
事業用で決めたサイフの中から、お金の入出金が会った場合につけていく帳簿書類です。
様式・見方
簡単な様式
簡単な現金出納帳の様式としては、以下のようなものです
日付 | 摘要 | 入金 | 出金 | 残高 |
5/1 | 前月繰越 | 10,000 | ||
5/1 | 掛け払い | 4,000 | 6,000 | |
5/1 | 1日売上 | 10,000 | 16,000 | |
5/2 | 4月分電気代 | 3,000 | 13,000 | |
5/2 | 4月分家賃 | 7,000 | 6,000 | |
5/2 | 借入 | 15,000 | 21,000 | |
5/2 | 1日売上 | 10,000 | 31,000 |
上記の様式の見方
日付
お金の入出金があった日付のことです。ここは発生主義ではなく、実際に現金が動いた日付を入れます
摘要
そのお金が動いた内容を簡潔にまとめたもの。
例えば、4月分家賃では、4月分の家賃を7,000円払いました。ということが一目で分かります。
入金・出金
お金の動いた金額を記録する欄です。
残高
お金がいくら手元に残っているかを記録する欄です。
入金・出金の欄の金額を1つ前の繰り越し欄の金額とプラスマイナスし、偏移を確認していきます。
お金がマイナスになることは本来ないことですので、マイナスになったらどこかしらで漏れがあるので注意
マイナスの現金という概念はマイナスのエネルギーと同じくらい難しい
銀行帳の場合には
銀行帳の場合には、通帳が上記の様式等の代わりになります。
内容によっては、摘要が書かれていないこともありますので、通帳に簡単にメモ書きをしておきましょう。
現金出納帳の効力
1日の入出金が確認出来る!
入出金が確認出来るので、1日のお金の動きが網羅的に確認出来ます。
- あ~今日はちょっと接待しすぎちゃったな~
- ん~今日はちょっと電車乗りまくっちゃったな~
- え~今日は住民票100個取っちゃったな~
といった内容を忘れずに書面で確認出来ますので、明日以降のお金の動きの参考に使えます。
手元にある現金の金額が分かる!
実際、今現ナマで持っている金額を把握出来るため、今後の現金の動きを参考に出来ます。
- あと1万しかないから、明日は経費使えない
- 今30万あるから、しばらくは何があっても大丈夫かな?
等々
現金があるということは、不測の事態への対応力が高いことに直接つながりますので、ここの金額は経営をする上で非常に重要になります。
どれくらい現金保留があるといいのかな?
具体的には、大体2.5ヶ月分くらいの現金保留が保てていると、非常に体力があるといえるのではないでしょうか。
今日のコロナウィルスの影響について、4月から6月辺りまで非常事態宣言(5月2日現在)が行われる予定です。約2か月も経済活動が制限されてしまうと、個人事業主やフリーランスは経営がかなり厳しい立場に置かれてしまいます。
2.5ヶ月分くらいの現金保留があれば、現状は何とか対応できるかどうか、という状況ではありますが、今回の事態に備え、現金を持っていることはかなり大切ということが実感できます。
作成方法
簡単な冊子やエクセルといったものに、上記の項目を入力します。
また、それに係る領収書を、現金出納帳用のファイルに入れるとよりグッドですね
一日の終わりには、現金出納帳に記載された残高金額と、サイフの中に実際に入っている金額が一致しているか確認しましょう。
一致していないと何かしらが抜けていることになります。
実際は……
現金出納帳をきっちりつけるのは難しい
このように大切な現金出納帳ですが、現実的には1日のお金の動きを全て記入する事は結構大変です。
- 喫茶店で作業したレシートをつい捨ててしまった
- 交通費メモし忘れた
- 他の口座から降ろした金額をメモし忘れた
- コンビニで買ったペンのレシートを忘れてた
1日には細かい取引がたくさんあるので、全て覚えているのは結構な負担になるます。
その他でも、他の口座から降ろした金額等をメモするのを忘れてしまい、残高がマイナスになることも少なくありません。
こうなってしまうと、先程あげた現金出納帳の効力が非常に薄まってしまい、経営状況を把握できなくなってしまいます。
これでは、手間ばかりかかって、作成の労力に見合った効果が期待できません。
現金出納帳を毎日しっかり作成するのは、結構大変
現金出納帳は現金の動きや実際に手許にある現金を把握することが出来る大切な書類ですが、毎日きっちり作成するのは結構骨が折れます。
領収書をもらい忘れたからいいや、という状況でも
現金は動いているため記録はつけなければいけません。
大切な分、とにかく骨が折れる帳簿です。