相続税

相続税法第21条の5・贈与税の基礎控除

 まだ間に合う!! 贈与税の基礎控除適用!!

 贈与税は暦年1月1日~12月31日に贈与した財産が対象です!! しかも贈与は財産だけじゃなく利益の享受も含まれます!!

 ってことはつまりデート代を払ったら贈与になっちゃう!!?? しまった!! 相手に贈与税が発生してしまうかもしれない!! 税理士(書類申請中)としてあるまじき失態!!

 と思ったら110万も払ってなかったーー!! 安心安堵安泰!! 

 贈与税・未発生!!

 いやだなぁこんな交際相手。

目次
1.贈与税・基礎控除
2.贈与税・期間公序
3.贈与税・支払孝女
プレゼントのイラスト「ピンクの箱とリボンのプレゼント」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.贈与税・基礎控除

相続税法

(贈与税の基礎控除)
第二十一条の五 贈与税については、課税価格から六十万円を控除する。

租税特別措置法

第七十条の二の四 平成十三年一月一日以後に贈与により財産を取得した者に係る贈与税については、相続税法第二十一条の五の規定にかかわらず、課税価格から百十万円を控除する。この場合において、同法第二十一条の十一の規定の適用については、同条中「第二十一条の七まで」とあるのは、「第二十一条の七まで及び租税特別措置法第七十条の二の四(贈与税の基礎控除の特例)」とする。
2 前項の規定により控除された額は、相続税法その他贈与税に関する法令の規定の適用については、相続税法第二十一条の五の規定により控除されたものとみなす。

電子政府の総合窓口イーガブより引用
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000073#242
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=332AC0000000026

 さて、今回は贈与税の基礎控除額について紹介しましょう!

 所得税には基礎控除額38万円(来年変更になるらしい?)、住民税には基礎控除額33万円(これも変更?)、相続税には基礎控除額3,000万円+αがあったりするように、贈与税にも当然基礎控除額はあります。

 やはりこうしてみると相続税の基礎控除額が格別に高いのが分かります。

まぁ米国の相続税の基礎控除は14億円くらいあるので上には上がいます。青天井を目指しましょう。

 基礎控除額を意識するのは非常に大切で、基礎控除額以下になるようにすれば特例措置とか気にせず煩雑な手続きも必要いらずに終わらせることが出来る訳です。

 そもそも、人からお金もらったら税金かかるってイメージがあまりないので基礎控除どころか贈与税を意識してる方も少ないですけども。

 お金もらったね! 税負担!! って2コマ並にテンポが良すぎる課税です。

 さて、そんな存在自体結構薄い贈与税。気になる基礎控除額はいくらかと言うと……じゃん! 1,10,100,1000,10000,100000,1000000

110万円でーす!!

 カンマないとめっちゃ数字読みにくくないですか?

 贈与税の基礎控除額は110万円なので、年間110万まではお金をもらっても贈与税は発生しません。

 ただ、上の条文を見ると「60万円を控除する」とか書いてあるわけです。

 あらーー!! 60万円って書いてあるのに110万円とか50万円も基礎控除かさましですか?? 逮捕しちゃいます!! 

 なーんてことになりそうですが、そこは租税特別措置法の存在がある訳です。

 「60万円控除って書いてあるけど、それ無視して110万円控除にします!」という規定があるので、贈与税の基礎控除額は110万円になっている訳です。

 所謂、本法と言われる相続税の効力を打ち消して租税特別措置法が110万円控除を謳っているいる訳ですね。

 実は贈与税の基礎控除額は相続税ではなくて租税特別措置法に上書きされていたから私達が使っていたのは租税特別措置法だったのです! な、なんだってーー!! 今明かされる衝撃の事実!!

 ってこの記事がタイトル詐欺になっちゃいますね。やばい。

 まぁその租税特別措置法が、その110万円は、本法でやったってことにするよ!! って言ってるので本法を使ったことになってるんですけどね。

 タイムパラドックス並に複雑ですね。

 では、その110万円はどの期間までに適用されるの?? という疑問が出てくるわけですね。

母の日のイラスト「お母さんにプレゼント」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2.贈与税・期間公序

 贈与税の基礎控除としては、「暦年1月1日~12月31日」を1期間として適用されます。

 今でいうなら、2019年1月1日~12月31日までに110万円の枠があって、2020年ハッピーニューイヤーになると同時に基礎控除額リセットされてまた110万円の枠になりますね。

 ちなみに、これはもらう人ベースで考えられています。

 複数人の人から110万円ずつ贈与されてももらった人1人に対して110万円の基礎控除があるわけではないので、もらったお金合計が110万円を超えてれば贈与税が発生します。

 相続税対策も兼ねて贈与したいなーと考えている方は、今月中に贈与をしましょう。

クリスマスプレゼント交換をするカップルのイラスト

3.贈与税・支払孝女

 さて、贈与税の基礎控除について説明しました。

 まぁ贈与税ってそもそも割と影の薄い(けど結構怖い)税目だったりするので、あまり意識することはありません。

 彼女にデート代奢っちゃったーー!! これ贈与税⁉ とかなりそうですが、そこまで気にする必要もないと思います。

 ただ、旅行代金60万円を肩代わりレベルの金額になると少し危険性が出てくるので注意です。

曖昧ですが、金額が高すぎるものには少し注意しましょう。とはいえ、普段はそんなに気にしなくても大丈夫です。  

ですので、世の男性陣はガンガン奢っていきましょう! もちろん女性陣も奢ってオッケーです!