続柄によって誰がどれくらいの財産を取得することが出来るのかが決まっているとのことでした。
亡くなった方から見て子供にあたる続柄や両親といった続柄のように、比較的近い関係性であると誰が相続人なのかが認識がしやすいですね。
しかし、亡くなった方の子供であれば基本的に全員が相続人となる都合上、以下のような場合には認識が難しい場合も
- 亡くなった方が前に結婚していた方との間に子供がいる場合
- 隠し子がいる場合
亡くなった方自身もあまり話をする内容ではないため、かなり後になって発覚したというケースも少なくありません。
それでは、相続人を確定する場合にはどうすればいいのでしょうか
Contents
相続人の確認は戸籍謄本で!
戸籍謄本って?
戸籍謄本とは出生や結婚、出産等の情報が記載された公的な書類です。
結婚する際には今の戸籍を出て新しく夫婦の戸籍を作成したりと、結婚をしたことがある方にとっては身近なものではないでしょうか。
他にもドラマとかで定番の「お父さんとお母さんは私の本当の親じゃないの……!?」の確認でも頻出しますね。メディア映えする書類・戸籍謄本。
古くは明治時代から作成が開始され現代まで引き継がれている由緒正しき公的な書類です。
記載の構造はどんな感じ?
戸籍にはそれぞれその戸籍の代表者(戸主)がいます。
配偶者や子供等はその代表者の戸籍の中に入っている形になります。
自分の戸籍謄本を取得すると、自分だけではなく、一緒の戸籍に入っている配偶者や子供の分も一緒に取得することになります。
えー自分の分だけを取りたいんだけど!! という場合には戸籍抄本(しょうほん)を取得することになります。
戸籍謄本(とうほん)と戸籍抄本(しょうほん)でめっちゃ語感が似すぎてて混ざりやすすぎますね。
戸籍謄本→みんなの情報ある
戸籍抄本→自分の情報だけ
という感じです。大(戸籍謄本)は小(戸籍抄本)を兼ねる、という感じですね。
相続関連で使うのは戸籍謄本です。
記載内容は?
戸籍謄本の記載内容は代表的なものだと以下の通りです。
個人の情報
- 氏名
- 生年月日
- 両親の名前
- 両親から見た続柄
戸籍自体の情報
- 本籍地
- その戸籍がいつ改製されたか
- どこから編籍されたか等
戸籍謄本はどこで取得出来るの?
本籍地の役所で取得出来ます。
例
中野区の戸籍謄本を中野区で取得→OK!!
中野区の戸籍謄本を新宿区で取得→NO!!
また、「本籍地の役所」というのは、「今の我らの本籍地の役所」ではなく「その戸籍が登録されている本籍地」です。
結婚前の戸籍の本籍地が今の本籍地と違う場合等は、「結婚前の本籍地の役所」に行かないと「結婚前の戸籍」は取得できません。
例
結婚前は本籍地が立川市!! 結婚後は好きな人と結婚して中野区が本籍地!!
結婚後の戸籍謄本を中野区で取得→OK!!
結婚前の戸籍謄本を中野区で取得→NO!!
結婚前の戸籍謄本を立川市で取得→OK!!
戸籍を使ってどうやって相続人を確認するの?
亡くなった方の死亡から出生まで戸籍を遡る!
戸籍には両親や結婚、出産に伴い戸籍に入った子供の情報等が記載されています。
そのため、亡くなった方が出生したところまで戸籍を遡ることで、亡くなった方の以下の情報が確認出来ます。
- いつ、誰から出生したのか
- いつ、誰と結婚(離婚・死別)したのか
- いつ、誰を出産したのか
これらの情報を順々に追っていくことで、どの続柄が相続人になるかどうかを確認することが出来ます。
例
- 兄貴が先日亡くなった。
- 兄貴は子供はいないといっており、両親も既に亡くなっているため、兄弟である自分が相続人になると考えた
- 念のため戸籍を確認したら、前に結婚していた方との間に子供を授かっていた!
- この場合、兄弟の俺は兄貴の相続人になるの?
- なりません。兄弟姉妹よりも順位の高い子供がいるため、その子供が相続人になります。
亡くなった人の本籍地が分からないよ!?
戸籍謄本は、登録されている本籍地の役所でしか取得出来ないため、亡くなった方の歴代・本籍地が分からないと死亡から出生までさかのぼって取得することは出来ません。
戸籍には「どこの本籍地から入ってきたか」「どこの本籍地に出ていったか」が記載されているため、1つ1つ遡りながら取得することになります。
次回予告
このページの執筆者
立川の個人・相続税特化の20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。