ネコの手も借りたい形記入帳
前々回・前回で売上・経費関連の帳簿群を見ていきました。
メジャーな補助簿としては紹介したものでほとんどですが、青色申告承認申請書には、他にもまだいくつか帳簿名が記載されています。
その他の補助簿としては、どんなのがあるのでしょうか。
Contents
星の数程(はない)帳簿達
青色申告承認申請書に記載がある残りの補助簿としては以下の通り
- 固定資産台帳
- 手形記入帳
- 現金式簡易帳簿
これらについて、確認していきましょう!
固定資産台帳
概要
所有している固定資産を記入する帳簿書類です。
聞きなれない帳簿ですが、実は作成が義務付けられている帳簿書類の1つです。
固定資産って何??
固定資産とは、基本的に1年以上保有して使用する資産のことを言います。
ざっくり言うと、自分で持っている以下のようなものです。
- 店舗や土地といった不動産
- それに付随する構築物
- 設備費
- 一定の金額以上のパソコンなどの機械類
固定資産何て大規模事業者っぽいものは持ってないぜ!
フリーランスの方はそんな印象を持っている方も少なくないですが、数十万単位するパソコンやソフトは固定資産に該当します。
どんな職種が作成した方が良いの?
固定資産台帳は確定申告で作成義務がある補助簿ですので、基本的に作成しなければいけません
作成方法
青色申告者で固定資産台帳を作成する場合には、会計ソフトを使用するのが一番簡単です。
他の補助簿のように
事業者が自分で確認するために作成する機会はあまりない
ので、固定資産の登録をして会計ソフトに作成してもらうのが一番簡単です。
効力
固定資産台帳を作成し、固定資産の管理を行うことで減価償却費の適正な計上が行えます。
作成義務はあるの?
あります。
とはいえ、固定資産管理したらめちゃくちゃ助かった!!
という場面は正直多くないので、会計ソフトで他の処理と一緒に作成するのが一番簡単です。
手形記入帳
概要
ネコの手も借りたい方が、ネコちゃんの手を触って癒される際に必要な帳簿です。
実際は、約束手形(受取手形・支払手形)の取引を記入する帳簿書類です
約束手形とは?
手形を渡された相手が銀行に持っていくことで、銀行が換金をしてくれるものです(手形を出した人の当座預金からの引落)。扱いとしては、有価証券になります。
持っていけばすぐ換金してくれる訳ではなく、決められた期日以降に持っていくことで換金してくれます。期限付き小切手のようなものです。
不渡りを出した
という言葉も、この約束手形に係るものです。銀行に持っていき、現金化しようとしたところ、残高が足りなくて現金化が行えない状況のことを言います。
この不渡りを半年以内に2回出してしまうと、取引停止の処分を受けてしまう、結構ペナルティの重いものです。
約束手形はよく扱われる?
場所によって異なります。
私はまだ1回しか見たことがない他、手形の裏書譲渡等の論点は日商簿記の試験範囲からも除かれました
効力
期日に当座預金の残高を確保しておかなければいけない日程を確認出来ます。
作成義務はあるの?
作成義務はありません。手形を使用する方は作成しておくと便利です。
現金式簡易帳簿
概要
現金の入出金があった時に取引を記録する帳簿です。所謂、現金主義での帳簿。
今まで紹介してきた帳簿等を全く作成せず、現金式簡易帳簿のみ作成する場合には、現金式簡易簿記の方法によって確定申告を行うことになります。
現金主義とは?
現金の入出金があった時に初めて、取引があったと認識する方法です。
誰でも使用できる?
前々年の所得金額が300万円以下の方のみ現金主義で所得計算を行うことが可能です。
届出は一緒?
現金主義で青色申告を行う場合には、通常の青色申告承認申請書ではなく
所得税の青色申告承認申請書 現金主義の所得計算による旨の届出書
を提出する必要があります。