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持続化給付金が非課税ではなく所得税の課税対象になる理由と処理方法

持続化給付金は課税対象!

ミケ君
ミケ君
]コロナウィルスの影響で売上が前年同月比50%減少の人は持続化給付金100万円がもらえるね!僕は白色だったから平均の50%減が要件だけど
ジャガーネコ
ジャガーネコ
そうだね!売上減少に対して補填をもらえるのはありがたいよね。でも持続化給付金は課税対象になるから、収入計上漏れがないように注意してね
白色の場合と青色の特例はこちら
ミケ君
ミケ君
わ、忘れる訳にゃいじゃ~ん。3年経っても忘れないよ!
ジャガーネコ
ジャガーネコ
ネコは三年の恩を3日で忘れる

持続化給付金が先月初日から受付が開始されて早1ヶ月。既に多くの方が申請をしており、実際に給付を受け取った方もかなり多くいらっしゃる印象です。

既に当初の予算分は全て使用したとの話もありますが、今後年末にかけてコロナウィルスの影響を受けて売上が下がった方も大丈夫なのか不安要素もありますね。とはいえ、先日の予算案で追加予算も発表されたので、ひとまずは安心。

そんな中、持続化給付金を受け取った方から多くいただいた質問として

持続化給付金を受け取ったら何か処理は必要?

というものがありました。

それでは、持続化給付金を受け取ったら何かやるべきことはあるのでしょうか。

持続化給付金は所得税の課税対象になる

所得税の課税対象

まず大きなポイントとして

給付された持続化給付金は所得税として課税されます。

もらったらそれで終わりではなく、来年の確定申告のために収入として計上しなければいけません。

ちなみに、法人であった場合には法人税がかかります。

計上は「売上」ではなく「雑収入」で

持続化給付金は、物を売却した対価や、報酬といったものではないため、売上に計上するのは妥当ではありませんし、適正な売上金額が分からなくなってしまうので売上として計上するのはやめましょう。

売上とは違う、ちょっと変わった収入として「雑収入」として計上しましょう。

売上台帳等には記載しません。

結果的には売上でも雑収入でも一緒

売上で計上しても雑収入で計上しても、最終的な税額等は全く変わりません。

来年以降、経営上混ざらないようにしましょう

雑所得ではない

少し話題になった雑所得ですが、雑収入とは全然違うものであるため注意です。

間違えて雑所得にすると、最終的な税額が大幅に変わってくる可能性が高いので注意です。

持続化給付金が非課税ではない理由

言われていないから非課税ではない

前述の通り、持続化給付金は所得税の課税対象になります。

その最大の理由としては→非課税です、と言われていないから課税です

根も葉もないですね。

非課税となるものは、基本的に限定列挙されている

所得税に限らず、非課税とされるものについては、基本的にきっちりと定められています。

例としては

  • 事故等により身体に受けた傷害に対して補償される治療費・慰謝料等
  • 上記により支払を受ける見舞金等
  • お給料にプラスしてもらう通勤交通費等

上記のお金は非課税として定められているので、非課税となり所得税は発生しません。

とはいえ、それだからといって、持続化給付金は所得税の課税対象!というのはちょっと乱暴ですので、課税対象となる理由をより挙げていきたいと思います。

持続化給付金が非課税ではなく、所得税の課税対象になる理由

概要

今回の持続化給付金について、下記2点の観点から見ていきます。

  • コロナウィルスの影響により減少した売上の補填
  • コロナウィルスにより営業自粛を強いられ期間に発生した経費の補填

売上の補填としての観点

コロナウィルスの影響により減少した売上の補填として見た場合、持続化給付金は、売上収入に代わる性質を持つ収入であると言えます。

本来得られた売上収入の代わりに取得した収入(=ほぼ売上収入)ですので、売上と同じように収入に計上する

という考えになります。

具体例を挙げると次の通り

  • 売上減少がなくて、例年通り売上が100万計上された→課税は100万
  • 売上が減少し、その代わりに持続化給付金100万を給付してもらった→課税は100万

国税庁から出されている似たようなケーススタディは以下の通り

1) 商品の配送中の事故で使いものにならなくなった商品について損害賠償金などを受け取ったケース
 棚卸資産の損害に対する損害賠償金などは、収入金額に代わる性質を持つものであり、非課税とはならず、事業所得の収入金額となります。

経費の補填としての観点

コロナウィルスの影響により、営業自粛を強いられた期間中にも発生する経費の補填として見た場合、持続化給付金は必要経費に算入される金額を補填するためのものとなります。

支払べき必要経費は通常通り発生するため、それと相殺する目的で補填された持続化給付金は、経費と相殺するために収入に計上する

という考え方になります。

具体例を挙げると次の通り

  • 家賃100万の補填としてもらった持続化給付金100万を課税する→収入100万-家賃100万=課税0円
  • 持続化給付金を課税しない場合→収入0円-家賃100万=損失100万

国税庁から出されている似たようなケーススタディは以下の通り

(2) 車両が店舗に飛び込んで損害を受けた場合で、その店舗の補修期間中に仮店舗を賃借するときの賃借料の補償として損害賠償金などを受け取ったケース
 この損害賠償金などは、必要経費に算入される金額を補てんする

国税庁HPより
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1700.htm#page-top

上記2点からは、どちらかというと売上の補填の方がイメージは近いかなと思います。

計上は忘れないようにしましょう

計上は意外と忘れがちですが、持続化給付金は国から支払われているものです。

絶対に計上は忘れないようにしましょう。国から支払われているものですもの。

その他の給付金等で課税対象になるもの

持続化給付金の他にも

  • 東京都感染拡大防止協力金(その他、各自治体で行っている事業者のみに対する給付金等も恐らく含まれます)
  • 雇用調整助成金

といったものについても基本的に課税されます。雇用調整助成金は、もらった額を人件費に充てるので、ほぼ課税されないのと一緒ではありますが。

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このページの執筆者

立川の個人・相続税特化の20代税理士 藤本悟史

※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。