青と白のオッドアイ
前回までは青色申告と白色申告の違いについて確認していきました。
ざっくりと、青色申告の方が税金が安くなるのは何となく分かりましたが、青色申告と白色申告では、実際どれくらいの税金の差が出るのでしょうか。
Contents
税金が安くなる最も分かりやすいものは、青色申告特別控除
青色申告と白色申告で最も分かりやすく現れる税金の差額は、青色申告特別控除になります。
青色申告特別控除について詳しくは以下の記事を参照いただけると幸いです
簡潔に言うと、特別な経費を計上して、税金のかかる部分を減らすというものですね。
税金の差を見る時は、所得税と住民税で見る!
確定申告をすることにより発生する税金としては、大きく以下のものがあります。
- 所得税
- 住民税
- 個人事業税
上記の内、個人事業税については
青色申告特別控除が考慮されない
ので、青色申告特別控除で税金の差額を見る際には、所得税と住民税で見ていくことになります。
ちなみに、健康保険料等にも影響してきますが、今回は割愛します。
税金の差額は純利益の金額毎に変わる!
所得税・住民税は、収入から経費を差し引いた純利益に対して課税されます。
そのうち、所得税については、純利益が高くなればなるほど、税金負担が大きくなる超過累進課税という方法をとっています。
上記のことから、純利益の金額毎にいくら税金に差が出るかは異なってきますので、ざっくりと各種純利益の金額毎に税金の差額を確認していきましょう。
今回は、青色申告特別控除の中でも最大の65万円控除を取った場合での差額を見ていきます。
また、基礎控除含め、その他の控除関係・均等割りは考慮しません。
純利益0円の場合
青色申告の税額→0円
白色申告の税額→0円(均等割り考慮なし)
青色申告にするといくら税額が安くなる→0円
元々純利益が出ていなければ、そもそも税金が発生しないので青色申告でも白色申告でも税額に差はほとんど出てきません。
但し、赤字の場合、青色申告ならば翌年以降の純利益と今年の赤字を相殺できるので、翌年以後の税額に大きく影響してきます
純利益195万円の場合
青色申告の税額→約19万5千円
白色申告の税額→約29万2千円
青色申告にするといくら税額が安くなる→約9万7千円
白色申告にすると約10万円多く税金を払うことになります。
一番税額の影響が少ないこのラインであっても、約10万円の税額の差が出てきます。
健康保険等を考慮すると、もう少し影響が出てくるのはないでしょうか。
純利益が195万円以下の場合、単純に考えて自由に使える手取金額が195万円前後である場合が多く、そこの10万円の差はかなり大きいです。手取金額の5%が税金の差として現れます。
青色申告にすれば、毎年特別定額給付金がもらえるようなものですね。プチ贅沢みたいな美味しいものを食べることが出来ます。
純利益330万円の場合
青色申告の税額→約43万2千円
白色申告の税額→約56万2千円
青色申告にするといくら税額が安くなる→約13万円
白色申告にすると、約13万円多く税金を払うことになります。
ここから10万円単位で税額が変わってきます。単純に支出が10万単位で増えると考えても勿体ないです。
青色申告にすれば大切な人へのプレゼントの予算がプラス13万円追加されますね
純利益695万円の場合
青色申告の税額→約146万円
白色申告の税額→約165万円
青色申告にするといくら税額が安くなる→約19万5千円
白色申告の方が約19万5千円多く税金を払うことになります。
約20万円の差がつきました。
青色申告にすれば、ちょっとした旅行とかもいけちゃいますね。
青色申告にするだけで毎年GoToキャンペーン開催中!
純利益900万円の場合
青色申告の税額→約211万円
白色申告の税額→約234万円
青色申告にするといくら税額が安くなる→約21万4千円
白色申告の方が約21万4千円多く税金を払うことになります。
純利益695万円と差がそんなにないですが、21万の差は大きいです。
21万円あれば、毎年パソコンやスマフォを最新の物に買い替えられますね
純利益1,800万円の場合
青色申告の税額→約592万円
白色申告の税額→約620万円
青色申告にするといくら税額が安くなる→約27万9千円
白色申告の方が約27万9千円多く税金を払うことになります。
またまた跳ね上がりました。四捨五入すれば30万円ですね。
青色申告にすれば1年毎に家電品を買い替えることも出来そうですね
純利益2,400万円の場合
青色申告の税額→約887万円
白色申告の税額→約920万円
青色申告にするといくら税額が安くなる→約32万5千円
白色申告の方が約32万5千円多く税金を払うことになります。
遂に30万円の大台を突破しました。元々の税金も高いですが、約32万円も多く税金を払うこともないですね。
青色申告にすれば、ちょっとした投資も始められますね
合法的に税金を多く払う?
青色申告と白色申告では、青色申告特別控除だけの違いではないので、単純に税金が安くなるというだけではありません。
とはいえ、税法で、税金を安くなるように定めているものをみすみす逃して、合法的に税金を多く払う必要性もありません。
無理に多くの税金を払うよりも、その払うべき税金を税理士さんに相談した方が、時間も手間も楽になりますし、手元に残るお金も増える可能性もあります。
お金がないから税理士に頼まないのではなく、お金がないから税理士に相談をしてみましょう。
次回予告
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このページの執筆者
立川の個人・相続税特化の20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。