こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
確定申告書シーズン到来中ということで、収入や経費の把握をされている方も多いのではないでしょうか。
実は、この確定申告には隠された収入の存在があります。
ほぼ全ての方が収入を得ているにも関わらず、確定申告書上に収入が計上出来ない。幻の収入が存在しているのです。
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
また、不動産売却を含め確定申告依頼のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
Contents
ほぼ全ての人が得ているのに確定申告書に全く見えない幻の収入が存在する
収入の種類の中で、1番得ている人数の多いものは?
働き方改革・職業の多様化
収入を得る方法が多様しつつある今日の日本。収入を得る方法は様々ありますが、日本で得ている人が一番多い収入は何でしょうか。
やっぱり、終身雇用を受け継いできた給与所得?
フリーランス時代の事業所得?
副業時代到来による雑所得?
いやいや、実は……(個人的な感想で特に証拠とかないですが)預貯金の利子こと利子所得なのです!
1番多いのに確定申告書に全く出てこない幻の収入
銀行口座と入金額があればほぼ必ずもらえる預貯金の利子。
近年ではお給料の支払やフリーランス報酬の支払方法は銀行振込の方法が主流なため、給与所得や事業所得がある方は付随して口座を開設=利子を得ていることになります。
幅広い所得に網羅的に張っている所得・それが利子所得なのです!
しかしこの利子所得、実は全収入でも稀に見る、確定申告書上での確認が困難な幻の所得なのです。
利子所得ってなに?
所謂、預貯金の利子
利子所得は所謂、預貯金の利子に係る収入を言います。
基本的に金融機関からの利子のみ該当
利子所得に該当する利子は基本的に金融機関に係る利子のみになります。
友達に貸付けたものの利息等は雑所得になります。
あれ、利子はもらっているけど確定申告で計上したことないよ?
これを読んでいる方はほとんどの場合で預金利子をもらったことがあるのではないでしょうか。
あれ、でも、利子をもらっても確定申告で計上したことはないのではないでしょうか?
実は利子所得に隠された特性こそ、幻の所得たる由縁なのです。
計上したくても計上が出来ない利子所得の世界
ほぼ全ての預貯金の利子が源泉分離課税という方法で課税されている
国内の預貯金の利子は源泉分離課税という方法で課税されています。
……源泉分離課税ってなんだろう。
源泉分離課税ってどんな方法よ?
源泉分離課税とは、利子の支払いの際に所得税15,315%と住民税5%を天引き(源泉徴収)し、そこで課税関係を完結させる方法を言います。
そうです、簡潔に完結するのです。天引きで完結するので、確定申告で計上して申告することは出来ません。
申告しなくても良い、ではなく、申告出来ない
以前、配当に係る収入は申告しなくても良い申告不要制度もあるが、申告しても良いと解説しましたね。
預貯金の利子に採用されている源泉分離課税は、天引きされたらされっぱなしです。その後、何かすると言うことは出来ません。
- 確定申告で天引きの精算しよーっと→出来ません
- 他の所得と合算して申告しよーっと→出来ません
源泉分離課税は申告しなくても良い、ではなく、申告出来ません。
完全に納税者自身がタッチすることは出来ない方法なんですね。申告したくても出来ない稀な収入になっています。
申告出来ないから、預貯金の利子を確定申告することは出来ない
上記のように、源泉分離課税で天引きされた預貯金の利子は申告したくても確定申告出来ません。
収入は得ているのに、申告が出来ず確定申告書に計上出来ない……利子所得の欄はいつまでも空欄のまま。
これが、幻の所得・利子所得なのです。
日常に溶け込み幻となった所得・利子所得
幅広く開設されている銀行口座。そこから発生する利子は生活の一部といっても過言ではありません。
これを1つ1つ税務署が把握して収入漏れを確認するのは不可能に近い所業になります。
こうして、日常の一部となった利子所得は、利便性等を加味し、確定申告が出来ない幻の所得へと昇華したのです。
ちなみに、昔は源泉分離課税か総合課税かで選択する事が出来た時代もあったそうですね。
そして、幻へ。
申告が出来ない利子所得は確定申告書に全く確認出来ない幻の所得
一番身近な所得であり一番計上がしにくい所得
預貯金の利子という、一番身近な所得でありながら一番計上がしにくい所得・利子所得。
収入があるのに計上が出来ないなんて、そんなことがあるんです。
申告出来ないんですもの。
それでも何とか計上出来る方法を考える
それでも利子所得に計上したい!何としてでも計上したい!こうなったらもう、天引きされないようにするしかない!
ということで、何とか預貯金の利子で利子所得を計上する方法として、メジャーな方法を紹介しましょう。
→外国銀行の利子で、国内で天引きされていない場合
外国で口座を開設し、国内の支払者を通じていなければ源泉徴収されていないので、確定申告で計上しなければいけません!
預貯金の利子を計上するには、日本という中にいては出来ません。世界に飛び立ち、海外の口座から利子を得なければいけないのです。
そうして、海外の利子を求めて我々はアマゾンの奥地へと向かった。
まとめ
・利子所得は源泉分離課税という方法で課税されている
・源泉分離課税は、利子の支払いの際に税金が天引きされ、課税関係が完結する
・源泉分離課税による預貯金の利子は確定申告出来ない
・確定申告出来ないので、確定申告書にも計上出来ない幻の所得となった
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
また、不動産売却を含め確定申告依頼のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。