コラム

非常勤講師報酬の受取外注費に対して消費税の検討が必要か否かで争った裁決事例を解説【給与か報酬か】

ジャガーネコ
ジャガーネコ
事業者が事業として行う資産の譲渡等とかについては、消費税を納める義務があるよ。
ミケ君
ミケ君
事業としてに該当するには、反復独立継続に該当する事……あれ、非常勤講師は、学校の監督下にあるし独立していないのかな?
ジャガーネコ
ジャガーネコ
講師料報酬に係る消費税についての裁決事例を見ていこう!

こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。

今日、話題になりがちな非常勤講師。昨年は持続化給付金の所得区分の問題で、非常勤講師が事業・給与・雑所得といった所得区分に該当し得ることも問題になりましたね。

また、非常勤講師報酬に対して消費税を納める義務があるのか、ということも悩ましいところ。

国税不服審判所に参考になる事例がありますので、紹介していきます。

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
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平成21年9月17日裁決・税理士講座の講師報酬に対して消費税を納める義務があるかの事例

ざっくりとした概要

ビジネス専門学校と講師契約を締結し、税理士講座の非常勤講師として仕事を行っていた講師。

この非常勤講師報酬は、消費税を納める義務のあるものではないとして、2年前の消費税1,000万円判定を行いました。その結果、免税事業者になります。

それに対して、この非常勤講師報酬は消費税を納める義務があるものとして、争っています。

争点

非常勤講師報酬は、消費税法上の事業に該当し、消費税の計算で考慮するか否か。

全文及び出典

出典:国税不服審判所ホームページ(https://www.kfs.go.jp/service/JP/78/29/index.html

https://www.kfs.go.jp/service/JP/78/29/index.html

そもそも、消費税の計算で考慮する取引ってどんなもの?

事業者が行う消費税法上の事業に該当する取引

事業者が行う(消費税法上の)事業に該当する取引に対して、消費税を納める義務があります。

消費税法上の事業とは?

消費税法上の事業とは、反復継続独立して遂行することを言います。

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/22/01.htm

基本的に、生活の基盤として行うようなものは該当すると考えて良いでしょう。

なお、勘違いしやすいところですが、所得税上の事業所得・雑所得は関係ありません。

雑所得で処理した場合であっても、反復継続独立して行われていれば、消費税的には事業として扱われます。

本件の争点のポイント

消費税法上の事業のうち、「独立して」に該当するか

本件の大きな争点は消費税法上の事業に該当するかですが、そのうち「反復・継続」は満たしているとし、「独立性」があるか否かがポイントになっています。

講師側の主張

自分は、講義を行う際は学校内の教室を使用していた。また、授業内容も、事前に用意された教材やカリキュラムを使用している他、他講師のビデオなども見ている。

これは、学校側の指揮監督を受けていることに該当するため、「独立性」はないといえる。

原処分庁(税務署側)の主張

本件講師契約は、1年毎に更改されており、その際に講師料単価の請求が行える上に、本件講師も講師料報酬が値上げされている。

また、契約書には、学校側と講師側が協議の上誠意をもって対処する旨もある。

よって、この契約は雇用契約に類するものではなく、請負契約又はそれに類するものとするのが妥当である。

上記契約に基づき、1年間に講義を99回行っていることから、独立性があり、事業に該当する。

結論

本件講師報酬は、独立性があり、消費税法上の事業に該当する。

独立性が認められたポイント

今回のポイントとしては、大きく以下のとおりでしょうか。

  • 契約書から請負契約又はそれに類するものに該当するのが妥当であること
  • 実際に、報酬支払は給与ではなく外注費として処理されていること
  • 講義内容等については、講師側の裁量が相当程度あること

特に、講義内容については、講師側はビデオやカリキュラムに沿っているとのことはあるが、講師専用のマニュアル等はなかったとのこと。

また、期日など以外は学校側からの指示も得にないと。

講義の進行内容や受講生からの質問・相談については講師の判断で対応を行っている。

などなど、仕事内容自体も講師にかなりの裁量があることが分かります。

こうしたところから、講師と学校側に強い従属性もなく、講師の裁量が強く働くことから「学校側から独立」して行われたと判断されたのでしょう。

消費税法上の定義は必ず確認するようにしましょう

消費税法上の事業の定義はより広く、実は消費税を納める義務があったという事態もあります。

税法を跨ぐと複雑ですが、必ず確認するようにしましょう。

まとめ

非常勤講師報酬の消費税の検討有無

・講師に相当の裁量があり、請負契約等の場合には検討が必要となる可能性がある

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
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このページの執筆者

立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史

※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。