前回は、医療費控除の還付について解説していきました。
医療費控除の仕組み自体は分かったけど、そもそも医療費控除の対象になるものってどんなものがあるんだろう……そんなお悩みもあるかと思います。
今回は、一般的な医療費控除の対象となるものについて、解説していきます。
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
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不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
Contents
医療費控除の対象となるものって何だろう
治療や医療に係る費用が基本的な考え方
医療費控除の対象となるものの基本的な考え方としては、治療や医療に係る医療費となります。
骨折をしてしまい、それを治すためにお医者さんにかかった費用
体調を崩してしまい、それを治すための風邪薬の購入費用
病気に罹ってそれを治すためにお医者さんにかかった費用
等々。体の具合が悪い状態→健康状態に戻るための費用といった印象でしょうか。
保険適用内・適用外は関係ない
保険適用外だから医療費控除を受けられない。こんなご相談をお伺いすることがよくあります。
実は、医療費控除は保険適用内・保険適用外は全然関係なく、保険適用外であっても、上記のような考え方があれば医療費控除の対象となります。
・体調を崩した際に薬局で購入した風邪薬
・子供が受ける歯の矯正費用
・インプラント治療
等々。これら自由診療の場合には金額も大きくなることから、医療費控除への影響も大きくなるので、見落とさないようにしましょう。
その他、妊娠出産費用や老人ホームの金額なども対象になるケースも
治療とは印象が異なりますが、妊娠出産費用の一部や一部の老人ホームの金額なども医療費控除の対象となるものがあります。
治療っぽい印象ではなくても、医療費控除の対象となるものもありますので、注意しましょう。
保険金などで補填された部分は除く
支払った医療費のうち、加入している保険等で補填された金額については医療費控除に含めることが出来ません。元々の趣旨の、治療等のために多額の支出をして手元にお金がない……というものと異なってしまいますし。
例えば、医療費5万円・保険等で補填された金額2万円の場合には、医療費控除の対象となるのは5万円-2万円=3万円となります。
今年のスポットとして、PCR検査も
PCR検査は、医療費控除の適用がある場合とない場合がある
今日、またしても感染拡大が著しい新型コロナウィルス。
新型コロナウィルスの陽性陰性を確認するための検査として、PCR検査を受けた方も少なくないのではないでしょうか。
では、このPCR検査に医療費控除の適用があるかどうかですが……実は実情により、適用がある場合と適用がない場合どちらも存在するリバーシブルな存在だったりします。
とても、ややこしいですね。
適用がある場合
下記のいずれか当てはまる場合には、PCR検査も医療費控除の対象となります。
- 新型コロナウィルスにかかっている疑いなどから、医師等の判断により受けたPCR検査
- 自己判断でPCR検査を受けた結果「陽性」であり、引き続き新型コロナウィルスの治療を行った場合。
上記1番は恐らく、濃厚接触者等でPCR検査をほぼ強制的に受ける場合等が該当するのではないでしょうか。この場合には、陽性陰性の有無は問わず医療費控除の対象となります。
上記2番は、「私もしかして新型コロナウィルスにかかってるんじゃないかなPCR検査受けようかな」→陽性でした。という場合が該当します。こちらは、陽性で治療を続けた場合のみ医療費控除に該当します。
適用がない場合
前述の通り、自己判断で受けて陰性だったものは医療費控除の対象になりません。より広く言うと、上記の適用がある場合以外は基本的に医療費控除の適用がないことになります。
よくある医療費控除の対象となるもの
病院で支払った医療費等
代表的な医療費ですね。
病院で支払った診察料等は医療費控除の対象となります。少し語弊がありますが、基本的な病院に対する費用は大体医療費控除の対象になります(自由診療含め。)。
整骨院などで支払った施術代
腰が痛いな~整骨院で治してもらう!といった場合の整骨院に対して支払う施術代。少し意外かもしれませんが、医療費控除の対象となります。
但し、柔道整復師等の資格を持っている方等が行う・治療のために行うなどが条件になっています。
少し難しそうですが、保険適用の整骨院費用は大体が医療費控除の対象になる印象で大丈夫です。
逆に、整体やマッサージといった保険適用外の疲れを癒すためのものは医療費控除の対象にならないので注意。
処方箋や風邪薬などの医薬品購入費
診察等に限らず、処方箋や風邪薬といった薬代も医療費控除の対象となります。
薬局で購入した風邪薬も勿論対象になるので注意しましょう。
特定の湿布代などの特定一般用医薬品等購入費
少し意外ですが、湿布代なども医療費控除の対象となるものがあります。
医療費控除の特例として位置づけられているセルフメディケーション税制の対象になるものについては、(原則の)医療費控除でも対象となります。
一見とても分かりにくいですが、薬局等で購入した際にセルフメディケーション税制の対象となるものはレシートに何かしら(☆マーク等)判別出来るマークや説明がついています。
〇〇医薬品といった種類のものを薬局で購入したら、レシートを確認してみましょう。
交通費
病院等へ行くための公共交通機関の交通費は医療費控除の対象となります。それに対して、自家用車での交通費(ガソリン代や駐車場代)は基本的に対象になりません。
他にも、足が悪い方が使用するタクシー代
子どもの付き添いで行く保護者の交通費
等々、これは病院に行くのに必要だよね、というものは医療費控除の対象となります。
まとめ
・医療費控除の対象となるものの基本的な考え方は、具合の悪い体を治すための費用。但し例外もある。
・保険適用内・適用外は関係ない。
・PCR検査は、医師等の診断より受けたり、陽性が出た等の場合には対象となる。
・その他、上記のような考えに合致する医療費や交通費も対象になる。
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このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。