こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
確定申告の時期になると、申告方法を青色申告か白色申告のどちらで行うかの確認をすることが増えてきます。
青色申告を選択すると様々な優遇を受けることが出来るのですが、そのうちの1つに青色申告特別控除があります。
それでは、青色申告特別控除はどのようなものなのでしょうか。
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
Contents
青色申告特別控除ってどんなもの?
青色申告特別控除の概要
青色申告特別控除とは、青色申告の適用を受けている場合に利益から控除出来る特例のことを言います。
単純に、利益額を少なくできるため課税対象になる金額が減少するため納付する税額が減る軽減規定になります。
青色申告特別控除は3種類ある
青色申告特別控除は、簿記の方法や申告方法等により、10万円・55万円・65万円の3種類が存在します。
65万円をうけるためにはいくつか要件があるため、本来10万円しか受けることが出来ないのに65万円を受ける選択をしてはいけません。
誤って大きな額を選択してしまっても、エラー表示がなければ過年度に遡及して更正はしない?
青色申告特別控除は少し意識が向きにくいところ。
確定申告書等作成コーナー等で作成した際に本来10万円なのに65万円を選択していた、ということもあるのかもしれません。
今回は、本来10万円しか控除を受けることが出来ないのに65万円の控除を受けていた場合に過去まで遡及して更正を行うか否かで争った裁決事例を紹介します。
出典
出典:国税不服審判所ホームページ(令和3年6月24日裁決・争点番号202704022)
なお、裁決事例集には登載されておりません。
令和3年6月24日裁決・誤って大きな額の青色申告特別控除を適用していた場合の過年度に遡及して更正処分を行うかで争った裁決事例
請求人(納税者側)の主張
国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーは、貸借対照表の各金額を入力しないまま青色申告特別控除の金額を65万円としてもエラー表示が出ない。また、貸借対照表を添付しなければ青色申告特別控除は10万円になるとの注意喚起がないのも問題である。
原処分庁は、申告内容に誤りがあれば、翌年分の確定申告書が提出されるまでの間に是正をすべきである。それにも関わらず、その他の金額の誤りについて指導した際に貸借対照表の添付がないことを見過ごして65万円の青色申告特別控除の適用に関する指導をしなかった。
上記のようなことがあるため、青色申告特別控除について過去の年分に遡って更正処分はするべきではない。
よって、過年度分は青色申告特別控除65万円を認めるべきである。
原処分庁(税務署側)の主張
申告納税制度の下においては、納税者が本件作成コーナーを利用する場合であっても、納税者が自己の責任と判断で法令の規定に従って申告をしなければいけない。
上記のような事情があったとしても、それは更正処分を行わない理由とはならない。
よって、過年度分まで遡って青色申告特別控除65万円は修正を行う。
結論
棄却(過年度分まで遡って青色申告特別控除65万円は修正を行う)
本裁決のポイント
エラー表示の有無や指導は関係なく、適用されるものが適用される
今回、請求人は、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーを使用して確定申告書を作成していた。
その際に、適用を受けることが出来ないのに青色申告特別控除65万円の適用を受けた際にはエラー表示をするべきだと。また、その他の指導をした際に青色申告特別控除を見逃していたため、過年度分の修正は行わない旨を主張しました。
しかし、それは理由にならず、間違った内容に対してはしっかりと修正を行うとのことです。
青色申告特別控除は要件を満たす金額に修正をするとのことでした。
青色申告特別控除額によって与える税額はとても大きい
青色申告特別控除は3種類ありますが、10万円と65万円では税額に与える影響はとても大きくなります。
複数年に渡ればなおさらのこと影響は大きく、ここをしっかり行うだけで大きな節税になります。
こういった基本的なところをきっちり適用していくことが節税の大切なところですね。
しっかりと確認して確定申告を行いましょう。
まとめ
・エラー表示や指導の有無に関係なく、適用される金額が適用される
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。