ネコだけじゃ、イエネコなのかヤマネコなのか分からない！
遺言には、代表的なものとして以下の3種類があります。
- 公正証書遺言
- 自筆証書遺言
- 秘密証書遺言
自筆証書遺言・秘密証書遺言はもちろんのこと、公正証書遺言についても、ある程度は自ら内容を作成しなければいけません。
記入内容によっては、具体性が欠けてしまい、遺言が無効になってしまうケースもあります。
それでは、どのように記載すればよいのでしょうか
Contents
遺言の記入内容
遺言の記入内容を簡単にあげると以下のようになります。
- 誰に
- 何を
- あげるか
例
第1条 遺言者は、遺言者の所有する以下の財産を、遺言者の妻・ミーアキャット(平成2年2月2日生)に相続させる。
- 下記の不動産
所在地～～
- 現金
- 預貯金
〇〇銀行 〇〇支店 普通預金 口座番号2222222
財産別の記入方法
概要
第3者が見てもその財産が何かはっきりと特定出来るように具体的に記入します。
例えば
第1条 遺言者は、遺言者の所有する以下の財産を、遺言者の妻・ミーアキャット(平成2年2月2日生)に相続させる。
- 自宅
- 預貯金の半分
- 株券
上記のような書き方の場合
「自宅とはどこの地番でどこにあるものをいうのか？自宅の中には土地も建物もはいっているのか？」
「複数の口座を所有しているが、預貯金とはどれをさしているのか」
「株券とは、上場株のことをいうのか、投資信託のこともいっているのか」
といったように、第3者が見ると不明点が多くなります。
このような場合だと、財産を特定出来ないため、より具体的に記入しなければなりません。
不動産
概要
不動産(土地・家屋)については、謄本の表題部に記載されている事項を基に記入していきます。
土地
- 所在 立川市ジャガーネコ2丁目
地番 22番2
地目 宅地
地籍 222.00㎡
家屋
- 所在 立川氏ジャガーネコ2丁目
家屋番号 22番2
種類 居宅
構造 鉄筋コンクリート造陸屋根2階建
床面積 1階 222.00㎡ 2階 222.00㎡
現金・預貯金
銀行名や支店名等を基に記入します。
現金
- 現金
預貯金
- ネコ銀行 ジャガーネコ支店 普通預金 #2222222
- キャット銀行 オセロット支店 普通預金 #2222222
有価証券・配当期待権 等
有価証券については、証券会社名等を記入します。また、配当をもらえる権利についても出てくる可能性があるので、合わせて記入しましょう。
・下記の有価証券及び、それに付随する配当期待権
- ネコ証券 ジャガーネコ支店 キャット株式会社 3万株
- ネコネコ証券 オセロット支店 マーゲイ株式会社 2万株
細かい財産
相続には、上記のような分かりやすい財産の他にも
- 準確定申告の還付金
- 社会保険料の還付金
- タンスやテレビといった家庭用財産
のように、細かい財産があります。これらを1つ1つ列挙していくのは不可能に近いので、一括して記入します。
- 第〇条 遺言者は、第〇条ないし第〇条に記載の財産を除く遺言者の所有する一切の財産をミーアキャットに相続させる
遺言作成者が死亡する前に、相続人が死亡した時のための、予備的遺言
概要
夫婦間の相続の場合、遺言者よりも先に、遺言によって財産をもらう予定だった配偶者が先に死亡することも少なくありません。
その場合、亡くなった方がもらう予定だった財産については、遺された相続人間で別途分割協議が必要となります。
例
- 現金を遺言者の妻・ミーアキャットに相続させる
- →遺言者よりも先に、ミーアキャットが死亡する
- 現金については、他の相続人同士で分割協議を行う必要がある
上記を防ぐ場合には、「遺言者よりも先に死亡した場合には別の人に相続させる」といった予備的な内容を記入する事で防ぐことが可能です。
記入例
・第〇条
前期・ミーアキャットが遺言者よりも先に、又は遺言者と同時に死亡した時は、遺言者は、前条によりミーアキャットに相続させるとした財産全部をジャングルキャットに相続させる
次回予告
このページの執筆者
立川の個人・相続税特化の20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。
