カロリーも相続税も0!
相続税の申告書を提出しなければいけない場合は以下の2種類
- 財産を取得して相続税額が出る方
- 申告要件のある規定を受ける方
前回は、財産を取得して相続税額が出る方について確認していきました。
それでは、申告要件のある規定を受ける方とは、どんな方なのでしょうか。
Contents
申告要件規定って何?
概要
相続税の申告書を提出することで適用を受けることの出来る優遇措置のことを言います。
相続税の優遇措置の中には
申告書の提出が適用を受けるための条件になっている
ものがいくつか存在します。
これを申告要件規定と呼んでいますが……他ではあまり呼ばないのでしょうか?
相続税0円でも申告書を提出しなければいけないカラクリ
申告要件規定の1つに配偶者に対する相続税額の軽減の規定というものがあります。
これを例に、相続税が0円でも申告書の提出が必要になるカラクリを解説すると以下のようになります。
- 相続税が出るため、申告書の提出が必要(前回の内容)
- 配偶者に対する相続税額の軽減で相続税額0円に
- 上記の規定を受けるためには相続税の提出が必要
- 相続税0円だから、と申告書を提出しなかった場合には相続税額が発生するため、普通に提出が必要
- 以下ループ
相続税0円にするためには申告書を提出しなければいけないし、申告書を提出しなければ相続税額が発生するから申告書を提出しなければいけない
どっちにしても結局提出はしなければいけない、ということになります。
代表的な申告要件規定!
代表的な申告要件規定は以下の3つ!
申告要件規定はいくつかありますが、代表的なものは以下の3つ
- 配偶者に対する相続税額の軽減
- 小規模宅地等の特例(特定計画山林の特例)
- 国等に対して相続財産を贈与した場合の特例
配偶者に対する相続税額の軽減
配偶者が取得した財産に対して適用される優遇措置
相続税中トップクラスの優遇規定
配偶者が取得していれば、財産の種類は問わないため、かなり幅広く適用を受けられます。
相続税は配偶者に対してかなり優遇をしていることが垣間見える規定。
これの適用をフルに使えば相続税が0円になる状況もかなり多いですね。
小規模宅地等の特例(特定計画山林の特例)
親族が取得した一定の土地に対して適用される優遇措置
相続税中トップクラスの優遇措置②
こちらは、取得する人の続柄は親族であれば問いませんが、取得財産が土地のみとなっています。
こちらについても、これを適用するだけで相続税が0円になるケースも多数。特に地価が上昇している今日では非常に重要な規定になってきますね。
選択適用として、特定計画山林の特例もありますが、こちらは使うケースがほぼなかったりします。
国等に対して相続財産を贈与した場合の特例
取得した後に寄付等をすることで適用される優遇措置
イメージとしては、相続税版ふるさと納税みたいな感じでしょうか。
というか、ふるさと納税として寄付していたら、ふるさと納税自体も受けられます
寄付した部分について相続税はかからなくなりますが
そもそも、寄付したことによって財産自体は手元からなくなっているので注意です。
相続税負担を軽くしたために手元に残った財産が減った、という状況にならないように。
適用を受けるためには、基本的には期限内申告
申告要件規定は期限内申告で
上記の申告要件規定については、基本的に相続税の期限内申告を行うことで受けることが出来ます。
どうせ特例使用したら相続税額0円だしいつでもいいや、では適用を受けることが出来なくなる可能性があるので注意です。
期限内申告とは
相続税の申告期限は、基本的には亡くなった日から10ヶ月以内となります。
例:2020年4月5日に死亡→申告期限2020年2月5日
(土日祝日は考慮外)
この期間内に相続税の申告書を提出しなければいけないので注意です
分割も済んでいないとダメ
相続税は、遺言がない場合には誰がどの財産を取得するかを決める必要があります
こちらも、申告期限までに済んでいないといけないので注意
揉めてしまい分割が終わらなかった場合には救済措置あり
相続は、誰がどの財産を取得するかで揉めてしまうことは往々にしてあることです。
そのような場合には、一旦、未分割で申告書を提出し、一定の書類も添付することで、分割がまとまった後に再提出することで上記の規定を受けることが可能です。
但し、一旦提出した時には適用できないため、相続税の納付は一時的に発生するので注意です。
次回予告
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このページの執筆者
立川の個人・相続税特化の20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。