相続税

相続税法第28条・贈与税の申告書

 この記事のタイトルを見てページを開いた方はこう思うでしょう。

 あ!! 贈与税なのに相続税法第28条とか言ってる!! 言い間違えてる! 贈与税法でしょ!!

ところがどっこい。実は贈与税法というのはなくて、贈与税は相続税法の一部なんですね。

それというのも元々贈与税は相続税の補完として作られていたもので贈与税個別の立場はなくてですね亡くなる直前に財産をあげて租税回避をするとか相続を前倒しでやってる相続で前払い的な感じで贈与がなされ

目次

1.贈与税の申告書

2.普通の贈与

3.相続時精算課税制度を適用している人

4.贈与ってどんなの?

お金の入った袋のイラスト「円マーク」

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1.贈与税の申告書

(贈与税の申告書)
第二十八条 贈与により財産を取得した者は、その年分の贈与税の課税価格に係る第二十一条の五、第二十一条の七及び第二十一条の八の規定による贈与税額があるとき、又は当該財産が第二十一条の九第三項の規定の適用を受けるものであるときは、その年の翌年二月一日から三月十五日まで(同年一月一日から三月十五日までに国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしないでこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるときは、当該住所及び居所を有しないこととなる日まで)に、課税価格、贈与税額その他財務省令で定める事項を記載した申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
2 前条第二項の規定は、次に掲げる場合について準用する。
一 年の中途において死亡した者がその年一月一日から死亡の日までに贈与により取得した財産の価額のうち贈与税の課税価格に算入される部分の合計額につき第二十一条の五、第二十一条の七及び第二十一条の八の規定を適用した場合において、贈与税額があることとなるとき。
二 相続時精算課税適用者が年の中途において死亡した場合において、その年一月一日から死亡の日までに第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産を贈与により取得したとき。
三 前項の規定により申告書を提出すべき者が当該申告書の提出期限前に当該申告書を提出しないで死亡した場合

電子政府の総合窓口 イーガブより引用
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000073#342

さて、今回は贈与税ついてです。

3ヶ月近くもやってきて、今更やっと贈与税の申告というのもどうかなと思いますが、そもそも贈与してもらって税金発生するって発想もあまりないので良いですね。

 人から物とかお金もらったら税金かかるよ! って言ったら大体の人が「IMI GA WAKARIMASEN」的な表情をするのが忘れらませんね。

 贈与税の申告ですが、まず前提の期間としては1月1日~12月31日の1年間の期間です。

 俺10月生まれだから10月から1年間で計算しちゃうぞ~とかはダメです。

 その年1年間に贈与により取得したものについては贈与税が発生するって感じです。

 申告については、その年1月1日~12月31日までに贈与により財産を取得した人が、その翌年の3月15日までに贈与税の申告を行わなければなりません。

 イメージ的には所得税に近いですね。

 それでは、その贈与の申告が必要な人というのはどんな方なのか具体的に見ていきましょう。

お金の入った封筒のイラスト(ドル)

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 2.普通の贈与

 まずは普通の贈与からです。

 じゃあ普通じゃない贈与って何でしょうか、異常な贈与があるのかという話になりますけど、まぁ普通の贈与は普通の贈与です。

 特に何も手続きしていない贈与、というか、相続時精算課税の贈与じゃない贈与ですね。暦年贈与とか言ったりするんですが、まぁ世間一般にイメージする贈与です。これくれてやるぜみたいな感じの何もしない贈与です。

 段々訳が分からなくなってきましたね。

 さて、普通の贈与については、年間に110万円以上贈与で財産を取得した場合にはもらった側に贈与税が発生し、申告が必要となります。

 これは誰からもらったとか関係なく、総額110万円以上なら申告しなければなりません。

 扶養者からの仕送りの生活費等は流石に非課税規定がありますのでそれは加味しなくてもいいですけども。

 お年玉で200万とかもらったら、年の初めから来年の贈与税の申告が確定する1年の始まりになります。

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3.相続時精算課税制度を適用してる人

 相続時精算課税制度を適用している人の場合、特定贈与者から贈与により財産を取得した場合には金額に関係なく贈与税の申告義務が発生します。

 やべー私が相続時精算課税制度を適用してるかどうか分からない! ってなるかもしれませんが、そういう人は基本該当しないので考えなくて大丈夫です。

 これ受けるためにはわざわざ手続きしなければいけないですし、個人的にそこまで知っている人がそこまで熟考せずに受けることもそう多くはないです。

 但し、10年とか前にこの規定を税理士とかからの勧めでよくわからずに受けて、忘れてたという事例もなくもないので注意。

手提げ金庫のイラスト

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4.贈与ってどんなの?

 じゃあ贈与ってどういうのがあるの、という疑問ですが、よくあるものとしては以下のパターンでしょうか。

 ①単純にお金、物をあげる・もらうの関係

 ②借りていたお金を返さなくていいとなった場合

 ③土地、家を買った時にお金を出していないのに持分を得た場合

 ④結構高額なものをめっちゃ安く買わせてもらった場合

 ありがちなものは上記の感じでしょうか。①は当然のことながら、③も夫婦で一緒に家を買った場合や親が買った場合等には注意が必要です。

 ものをもらって税金がかかるというのはあまり理解を得にくい場面がありますが、どちらかというと富裕層が世代を超えて富裕なままなのを防ぎ、富の再分配を図るといった趣旨で作られているところがあります。

 後は、働いてお金をもらったら所得税がかかるのに、何もせずにお金をもらって税金がかからないのは不平等ですよね。

 そういった面もあるので、贈与してもらったら税金が発生するということを頭の片隅にだけ入れておきましょう。

 ちなみに、米国でも贈与税はあります。米国では年間約170万程度で、財産をあげた人(donor)に税金が発生します。

 これら生涯の贈与はあげた人がなくなった時に相続税で精算されることになります。日本の相続時精算課税制度にちょっと似てますね。