――実録!!路線価による相続税申告の否定!!――
先日、税理士業界に(多分)衝撃を与えた路線価評価の否定。まだ裁決としては序盤で、ここから高裁や最高裁に上がっていくのでしょう。今後の動向に注目が集まります。
その話を(税金を全然知らない)友人に興奮気味に話したところ、その友人も事の重大さを理解したようで、おもむろに口を開いて一言
「路線価ってなに」
目次1.路線価ってなに
2.時価ってなに
3.節税ってなに
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1.路線価ってなに
さて、先日路線価を用いた相続税申告が否定されましたが、そもそも路線価って何ですかというのが世間一般の意見のようです。
使い過ぎて忘れてましたが路線価とか専門用語ですからね!
路線価って電車っすか?? みたいな感覚が一般です。
路線価というのは国税庁が発表している土地の価額のことですね。
主に相続税の申告で使用されます。1㎡あたりの土地の価額は大体これくらいだよ~って国税庁さんが発表してくれます。参考にしない訳がありません。
土地の評価って実際難しくて不動産鑑定士の方に鑑定してもらったり、それでも個人によってばらつきが出たり、いろんな事情を考慮したりしたりと、(税理士とか介さず)個人が申告を行うのが前提の相続税においては、いやそれ無理でしょ案件になる訳です。
だからこそ、そういった便宜を図る意味もあり我らが国税庁さんが土地の価額を発表してくれるわけです。
国税庁さんが発表している土地の価額で申告したら「それ安すぎじゃね?」とか国税庁さんサイドから否定された訳です。そりゃ話題にもなります。
リンゴを100円で買おうとしてレジに並んだらお店の人に「それ安すぎだから500円な」とか言われるようなものです。
まぁ今回はマンションの敷地という面や結構な節税的側面もあって単純におかしいとは言えないので思慮深く考えないといけない訳ですが、当事者にとっては納得いかないでしょうね。
そもそも、相続税の財産ってどうやって評価してんの? という話ぐらい原点に立ち戻ると、亡くなった日における時価という風に規定されている訳です。
じゃあ時価とはなんぞや、という話になる訳ですね。
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2.時価ってなに
じゃあ時価って何という疑問ですが、うんまぁ難しくて答えられないです。
確か財務諸表論の勉強の際に時価の定義を覚えた気がしますが、財務諸表論を税法に持ってきてもいいのでしょうか。そもそもあれって金融資産とかのことで別に土地とかをいっているわけではない云々で小一時間……
ざっくりと誤解を恐れずいうと、公正な取引価格、売買価額という認識が一番近いでしょうか。
実際にその土地を売った時にゲットできるお金という感覚です。
実は、その考え方で言ういうと路線価って売買価額の8割ぐらいに設定されているのでちょいと安めになっているんですよね。
巷で言われる不動産を買って相続税の節税の基本は実はここにあったりします。1000万円で土地を買って、路線価評価したら8割になるので800万で財産を圧縮できる、みたいな感じです。
でもそれって節税になっているんでしょうかね。
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3.節税ってなに
節税というのはその言葉のまま通りにとると、税金を節約することですね。合理的な範囲内で税金を安くするように操作を加えることです。
今期に経費をたくさん計上する、不動産を購入する、ふるさと納税を利用する等々……拡大解釈すれば節税にきりはありません。
節税自体は悪いことではないですが、大切なのは節税行為を行ったことで得をしているのか考えることです。
例えば、現金預貯金から不動産にしたら、登記代とか、預貯金のままだったら発生しない費用が出てきます。
預貯金だけだったら簡単な相続税申告も、煩雑な評価が必要な土地があると税理士への依頼&報酬が発生することもありますね。
その土地を同じ値段で売ったとして、その土地の購入した証明の書類がないと所得税が発生する可能性もあります。
節税対策で買ったのに数年持ち続けたら毎年の固定資産税で逆に税額が増えることも
後は、そこの土地をもらったところでもらった側が嬉しいかどうかも考える必要がありますね。
即効性のある預貯金をもらうのと、固定的な資産の土地をもらうか。
その土地もらっても利用がなければ実質価値ないですからね。
税金が減る節税=最高!!
と単純考えるのではなく、その行為を行ったことでどんな波状効果があるのか、その辺りまで思慮深く考えて節税は行いましょう。
というところまでを友人に説明しようと思いましたが、寝そうなのでやめて一緒にコーヒーおいしーって話ました。