概算経費を侮るなかれ
年末近づく9月後半。
年末に差し掛かって思うことと言えば、やはり税金関係ではないでしょうか
- 年末調整
- 確定申告
年末~年明けにかけて、個人の税金関係は集中します。
税金は国民の義務であり、豊かな生活のために必要なもの。必要なもの!そう、頭の中で分かっていても、こう、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
払う税金を0円にして稼ぐ方法はないものか
今回は、税金を0円でどこまでお金を取得することが出来るのか、考えてみました。
税金0円稼ぎ考察!第1回目は所得税(住民税)を0円でどこまで稼ぐことが出来るのかを考察してみます!
Contents
経費をたくさん出せば税金は出ない!……けど!
所得税(住民税)は、収入から経費を差し引いた純利益に対して税金が課されます。
つまり、経費をめっちゃたくさん計上すれば税金が0円でいくらでも稼げるのでは!?
しかし、ここで大変なトラップがあります。
どんなにたくさん収入を得ても、経費で全部使用したら結局手元にお金が残らない!
100万収入を得て、100万経費を発生させたら、純利益は0円のため、税金は発生しません。
それと同時に、手元に残るお金も0円になります。
やはり、人は手元にお金を残しつつ税金を0円で収入を得ることは出来ないのか……
いや、そんな時こそ、これを考えましょう!
概算経費!!
支出がないのに経費発生!?概算経費!
お金を支出しなくても、経費で計上出来るものがあるんです
経費がないのに経費を計上する……それって架空経費じゃん!
いえいえ、違います。実は、所得税には
経費が発生していなくても収入から差し引くことの出来る概算経費的なもの
があるんですね。
経費が発生していないけど、収入から差し引くことが出来る……つまり、手元にお金を残しながら税金を0円にする、皆が夢見たものを現実にすることが可能に!夢は見るものじゃない。掴むものだ。
基礎控除も考えよう
所得税には、ほぼ全員(所得2,500万円以下の方)に適用される減額規定の基礎控除というものがあります。
こちらも、支出に関係なく減額出来るので考慮していきましょう。
他にも、奥さん・旦那さんによって減額出来る配偶者控除や、扶養親族がいる場合の扶養控除などもありますが、今回はシングルを前提として考えていきます。
概算経費の代表的なもの
概算経費で代表的な規定は以下の通り
- 青色申告特別控除(最大65万控除)
- 給与所得控除(最低でも55万控除)
- 公的年金控除(最低でも110万控除)
青色申告特別控除は概算経費とは少し違いますが、支出しないで収入から差し引けるものとしてこちらに並べます。
それに加えて
- 基礎控除(48万円控除)
今回は、これらの概算経費を駆使して、いくらまで無税かつ支出0円で稼ぐことが出来るのかを考察していきます。
20代~50代ぐらいまで
支出0円税金0円で得ることの出来る収入
約168万円
条件
フリーランスなど、事業をやっていること
アルバイト収入などのお給料を得ていること
内容
フリーランスなど、事業で収入を稼いだ場合、65万円を収入から差し引いて税金を計算することが出来ます。
また、アルバイトなどのお給料の場合、55万円をお給料から差し引いて税金を計算出来ます。
更に、基礎控除がありますので、48万円も更に収入から差し引くことが出来ます。
計算
- 事業所得:収入113万-青色申告特別控除65万=48万
- 給与所得:収入55万-給与所得控除55万=0円
- 基礎控除:残り所得48万円-基礎控除48万円=0円
- 所得税0円!!
まとめ
事業収入が65万円以上・お給料が55万以上で、総額が168万円以下ならば、支出0円で税金0円での収入が達成できます。
手元に残る金額は168万円!
65歳以上
支出0円税金0円で得ることの出来る収入
約288万円
条件
フリーランスなど、事業をやっていること
アルバイト収入などのお給料を得ていること
公的年金をもらっていること
内容
フリーランスなど、事業で収入を稼いだ場合、65万円を収入から差し引いて税金を計算することが出来ます。
また、アルバイトなどのお給料の場合、55万円をお給料から差し引いて税金を計算出来ます。
更に、基礎控除がありますので、48万円も更に収入から差し引くことが出来ます。
それに加え、公的年金については、110万円を支給額から差し引いて税金を計算出来ます。
プラス、お給料と公的年金をどちらももらっている場合、状況によって更に10万円差し引いて税金を計算出来ます
計算
- 事業所得:収入103万-青色申告特別控除65万=38万円
- 給与所得:収入75万-給与所得控除55万=20万円
- 公的年金:収入110万円-公的年金控除110万=0円
- 上記の合計:58万円
- 10万調整:58万円-10万円=48万円
- 基礎控除:残り所得48万円-基礎控除48万円=0円
- 所得税0円!!
まとめ
事業収入が65万円以上・お給料が75万円以上で・公的年金が110万円以上、総額が288万円以下ならば、支出0円で税金0円での収入が達成できます。
手元に残る金額は288万円!
意外と金額が多い。
現実的にはどう?
フリーランス等の収入を主な収入とし、アルバイトで補助的に収入を得ている場合には、割と現実的に上記の概算経費を使用出来るのではないでしょうか。0円とまではいかなくても、支出を防いで税金を減らす効果はそれなりにありそうです。
フリーランスの方などは現実的に行えるのではないでしょうか。時間的兼ね合いもありますが。
但し、逆に、会社員の収入を主な収入とし、副業で収入を得ている場合には、青色申告特別控除を使用するハードルがかなり高くなるので注意です。というより、基本出来ないと考えた方が良いですね。
65歳以上の場合、色々な人生経験があるので、事業も比較的始めやすいのかもしれませんし、意外と出来るのかもしれませんね。
収入を1つの柱だけではなく、複数から考えている場合には、こういった側面から考えてみてもいいかもしれません。
税金関係は結構複雑になるので、その前には是非税理士に一度ご相談をおすすめします。
このページの執筆者
立川の個人・相続税特化の20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。