コラム

事業所得に係る源泉徴収の確定申告上の取扱いについて解説【確定申告・個人事業主】

ジャガーネコ
ジャガーネコ
事業に係る報酬でも、一部のものでは源泉徴収されるよ。
ミケ君
ミケ君
源泉……かけ流しかな?
ジャガーネコ
ジャガーネコ
還付になれば疲れは取れるかもしれない。

こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。

年を跨ぎ、これから確定申告の時期に入っていきます。寒さが身に染みてくると確定申告の香りも感じますね。

確定申告で少し複雑な内容になってくるのが源泉徴収。

源泉徴収といえば、お給料や配当等に対して行われる印象が強いですが、事業に係る報酬等であっても一定のものについては源泉徴収が行われます。

それでは、源泉徴収が行われる場合、確定申告上の取扱いはどのようなものになるのでしょうか。

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。

事業収入に係る源泉徴収とは?

そもそも源泉徴収ってどんなもの?

源泉徴収とは、報酬等の支払いの際に一定の金額を税金として天引きを行うことですね。

印象としてはお給料と一緒です。例えば、10,000円の報酬をもらう際に源泉徴収が必要な場合には、10,000円全額を受け取れる訳ではなくて、その金額から天引きを行った残額を受け取ることになります。

事業収入でも天引き・手取額という概念が発生してきますね。

とはいえ、全ての報酬に対して源泉徴収が必要となる訳ではなく、一定のもののみ源泉徴収が必要となります。

それでは、どんなものが対象になるのでしょうか。

どんな報酬等が対象になる?

源泉徴収が必要な報酬等のうち代表的なものは以下のとおり。

・原稿料や講演料

・士業に対する報酬

・外交員等に対する報酬

・映画、演劇その他芸能等に対する報酬

基本的には報酬額の10.21%が源泉徴収額になりますが、上記の種類によって詳細がそれぞれ定められています。

例えば、同じ士業であっても、司法書士報酬の場合には報酬額から1万円を差し引いた金額の10.21%が源泉徴収。保険外交員の場合には報酬額から12万円を差し引いた金額の10.21%が源泉徴収、など。

ちなみに私の職業たる税理士も源泉徴収の対象になっています。基本的に手取額が約10%減少するイメージですね。結構でかいです。

それでは、源泉徴収がある場合の確定申告上の取扱いはどのようなものがあるのでしょうか。

事業報酬に係る源泉徴収の確定申告上の取扱い

売上金額は、源泉徴収を含めて計上を行う

報酬をもらう際には、上記のとおり源泉徴収が行われた後の手取額が振込等行われることになります。

ここで注意なのが、売上計上額は、受け取った手取額ではなく、源泉徴収額も含めた額面金額ということ。

例えば報酬総額10,000円・手取額8,979円・源泉徴収額1,021円の場合、実際に通帳に入金される金額は8,979円になりますが、会計上売上金額に計上する金額は10,000円になります。

通帳上は出てこない数字にはなりますが、手取額を計上すると売上金額が10%近く過少に計上されてしまうので注意しましょう。

源泉徴収された金額は、確定申告書上で記載し、税額から控除する

でも、源泉徴収されているなら実際にもらっている訳じゃない。それなのにそれに対しても税額が課税されたら二重計上じゃないか、と思う方もいるのではないでしょうか。

もちろん、そんなことはありません。

源泉徴収が行われた場合には、確定申告書上で源泉徴収された金額の記載を行います。

ここに記載を行うことで、算出された税額から源泉徴収税額を控除することが可能です。

税額から控除しきれない部分については還付が行われる

算出税額よりも源泉徴収税額の方が大きい場合には、控除しきれないことになります。

この場合には、控除しきれない金額については還付を受けることが可能です。本来納付すべき確定申告で逆に還付を受けることが出来る。嬉しいですね。実は既に納付している税金が返ってきただけではあるのですが。

そのため、源泉徴収税が行われるからといって、最終的な税額に差は出ません。

安心しましょう。

源泉徴収の記入漏れがあると二重に税金を負担することに!必ず確認しよう

上記が源泉徴収を受けた場合の確定申告上の取扱いになります。

会計上で源泉徴収も含めて売上計上を行うことは、通帳上で金額が出てこないこともあり複雑な内容になってきます。

また、源泉徴収された金額も別個でまとめておかないと、確定申告時に金額の記載が大変になってしまうことも。

源泉徴収に係る取扱いを失念すると、二重に税額を負担することになってしまいます。大きなところですので、必ず確認しましょう。

まとめ

事業所得に係る源泉徴収の取扱いのまとめ

・源泉徴収も含めて売上計上し、確定申告書上で精算を行う。還付がされることもある

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
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このページの執筆者

立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史

※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。