こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
近年流行りのコンサルティング。投資を始める際に、各種コンサルティングを参考にする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
業務を行うための費用は所得の計算上、必要経費に算入されます。
それでは、このコンサルティング費用は必要経費に算入するのでしょうか。
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
Contents
コンサルティング費用は必要経費に算入する?
基本的に、収入を得るために必要な費用等は算入する
コンサルティング費用に限らず、事業所得や雑所得の金額の計算上、収入を得るために必要な費用については必要経費に算入されます。
代表的なものでは、商品の仕入れや水道光熱費、旅費交通費等ですね。
それでは、少し特殊に感じるコンサルティング費用も必要経費に算入させることは可能なのでしょうか。
コンサルティング費用は雑所得の計算上必要経費に算入できる?
コンサルティング費用についても、上記のように収入を得るために必要な費用については必要経費に算入されます。
今回は、参考にコンサルティング費用が雑所得の計算上必要経費に算入されるか否かで争った裁決事例を紹介します。
出典
出典:国税不服審判所ホームページ(令和3年4月20日裁決・争点番号200904061)
なお、裁決事例集には登載されておりません。
令和3年4月20日裁決・コンサルティング費用が雑所得の必要経費に算入されるか否かで争った裁決事例
請求人(納税者側)の主張
商品への投資において、本件投資が成立するためには当該コンサルティング費用(及び仲介手数料)の支出は必要不可欠である。
その内容は、本件投資が成立するために必要不可欠な投資案件の紹介及び投資のための手続きのサポートに対する対価としてのコンサルティング費用等である。
よって、コンサルティング費用等については、投資が成立するための必要不可欠な支出として、雑所得の金額の計算上必要経費に算入される。
原処分庁(税務署側)の主張
本件コンサルティング費用等は、約7ヶ月間の間に多額の金員を支出したものである。
それにも関わらず、コンサルティングや仲介に係る契約書等がないことは不自然である。
また、請求人は、今回のコンサルティング内容や仲介の具体的な内容を明らかにしておらず、本件コンサルティング費用等が、本件投資に係る損益を生ずべき業務と直接の関連性をもち、業務遂行上必要な費用であると認めることは出来ない。
よって、雑所得の金額の計算上必要経費に算入することは出来ない。
結論
棄却(経費に算入することは出来ない)
本裁決のポイント
コンサルティング費用「が」必要経費に算入されないのではなく、明らかに不自然だったから算入できない
今回、コンサルティング費用等は雑所得の金額の計算上必要経費に算入することは出来ないという判断でした。
しかし、単純にコンサルティング費用等「だから」必要経費に算入できなかったのではなく、下記のような明らかな不自然さがあった点が指摘されています。
・約7ヶ月間もの長期間多額の支出があったにも関わらず契約書等がない
・請求人がその具体的な内容を明らかにしない
上記のような不自然さから業務との関連性が明らかにあるとはいえないという判断ですね。
同じコンサルティング費用等であっても、しっかりと契約書等を保存し、具体的な内容がその業務と直接関連があり、業務遂行上必要な費用であると認められれば必要経費に算入は出来たのではないでしょうか。
今回は「コンサルティング費用等」ではなく「支出が明らかに不自然」だったことで否認されたという判断ですね。
経費性はしっかり確認しながら確定申告を行おう
上記のように、コンサルティング費用等といった名目よりも、実態がより重要視されます。
同じように一見経費の代表である旅費交通費であっても、経費性がなければ必要経費に算入することは出来ません。
個人の確定申告では、どうしても家事費と必要経費が混ざりやすくなってしまうもの。
経費性をしっかり確認しながら、確定申告を行いましょう。
まとめ
・コンサルティング費用等が論点ではなく、実態で明らかに不自然なため必要経費に算入できない
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。