こんにちは。立川のネコ好き税理士藤本です。
早いものでもう師走の月です。今年は1年があっという間に感じました。
今年は新型コロナウィルスの影響で、季節性のイベントの多くが中止になった影響もあり、例年よりも各季節での思い出が多くありません。
季節のイベントがなかった分、1年があっという間になったのかもしれません。
そんな中、確定申告という決して中止にならないイベントがもうすぐ訪れます。
確定申告と言えば、個人事業主が所得税でやるもの……そんな印象が強いもの。
しかし、実は会社員含め様々な方が検討を必要とする可能性のあるものが含まれています。
それが、贈与税申告。
また、贈与税の確定申告のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
Contents
贈与税申告とはどんなもの?
他の人からタダでお金や物をもらった場合、税金が発生する
配偶者やご両親、兄弟に友達といった、他の方からタダでお金や物をもらった場合には、贈与税が発生します。
無料で利益を得たのだから、担税力あるよね。
将来、相続でもらう分を先にもらったんだよね
等々の理由から、贈与税が設定されています。
お金をもらっただけで税金が発生する、あまり意識しないことですので注意しましょう。
事業での付き合い等の場合には、事業不随収入として所得税
物をもらった相手方が、例えば事業における取引先等である場合には、贈与税では基本的に課税されません。
事業に付随する収入(受贈益)として事業所得として所得税として課税されます。
例えば、新しく支店を開店した際に、事業関連者からお祝い金をもらった場合や、事業関連者から新商品をもらった場合等は、贈与税ではなく、所得税として課税されます。
有名どころでは、持続化給付金や家賃支援給付金。
こちらも、無料でもらったお金ですが、贈与税ではなく、事業所得(や雑所得等)として、所得税で課税されることになります。
意外と気が付きにくい贈与税
贈与税はその性質上、発生しているか否か非常に気がつきにくい税金です。
ご両親からお金をもらうという行為は、世間一般日常で行われていることです。そこに、税金が介入してくるというのは、感情的にも理論的にも少し理解しがたいところかと思います。
まずは、どんな時に贈与が発生するかを確認しよう
贈与税を注意する前に、まずはどんな時に「贈与」が発生するかを確認していきましょう。
贈与が発生する事で、贈与税が発生します。贈与に該当しなければ、そもそも贈与税が発生しない可能性もありますので。
贈与が成立するタイミングとは?
あげる側が、「あげただけ」では、贈与は発生しない
「贈与」と言うと、「あげる側」が「あげた」ことにより発生する印象があります。登場人物は「あげる側1人」だけで完結する印象ですね。
実は、贈与は、「あげる人」と「もらう人」の登場人物は2人必要になります。
あげる側が「あげる」もらう側が「もらう」ことで、贈与が発生する
贈与は、あげる側が「あげる」もらう側が「もらう」ことで、初めて発生します。当たり前のようなことですが、実はここ、かなり重要です。
例えば、AさんがBさんにお金をあげようと思い、Bさん名義の預金口座Xに100万円を振り込みました。しかし、ここでBさんが預金口座Xの存在を全く把握していなかったらどうでしょう。
Bさんは、預金口座Xを把握していないので、Aさんが振込んだ100万円は当然ながら使用出来ません。また、Aさんは預金口座XをBさんに知らせずにずっと自分で管理しているので振込んだ100万円を自由に使用することが出来ます。
あげる側のAさんは「あげた」つもりですが、もらう側のBさんは「もらっておらず」、Aさんは100万円を自由に使えるしBさんは100万円を全く使えません。
このような場合には、「贈与は成立していない」ということになるんですね。
贈与は、あげる側の「あげる意思」ともらう側の「もらった意思」の2つの登場人物があって、初めて成立します。
もらう側が認識していない場合、名義財産として取り扱われる可能性
先程の例で、Aさんが預けたBさん名義の預金口座Xですが、前述の通り贈与にはなりません。
この場合、預金口座Xの所有者は、Aさんとなります。Bさんの名義ですが、Bさんの財産ではないので注意です。
このような財産を、名義財産と言ったりします。
あげた側ともらう側の認識が一致していれば、贈与が成立している
贈与の成立に、書面等の証明は必要ない
書面で贈与契約書を作成していないから、贈与は成立していないよね。
贈与の成立は、書面による契約書等の証明は必要ありません。口頭においても、贈与の契約は成立することになっています。
本来、親族間で仲が良ければ、あげる際にわざわざ書面を作成したりしませんよね。口約束でもらったとしても、あげる側ともらう側の認識が一致していれば贈与は成立しています。
もちろん、書面による贈与をしてはいけないという訳ではありません。書面による贈与を行った場合には、その事実がより確かなものになります。
贈与は、意識は中々しにくいが、かなり身近に存在する
贈与は日常生活において、無意識のうちに身近に存在しています。
身近に存在しすぎて意識をすることは少ないですが、改めて認識すると、実は多額の贈与があったということも。
多額の贈与が心配になったら、税理士に相談をしてみましょう
改めて考えたら多額の贈与があったかもしれない!
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そんな心配がある場合には、税理士さんに相談してみるのもお勧めです。
税金の適用関係等、複雑な事情を解消し、気持ちよく年末を迎えましょう。
贈与の成立のまとめ
・贈与は、あげる側があげた、もらう側がもらう認識があって初めて成立する
・あげる側だけの一方的なもので、もらう側が認識していない場合には成立しない場合がある
・贈与は口約束でも成立する
次回は、贈与税申告の注意点等について解説していきます。
また、贈与税の確定申告のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。