こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
こちらのブログでも何度か紹介していますが、源泉徴収選択口座に係る配当など、一部の配当については申告不要とすることが出来ます。
それでは、配当所得の申告不要はどんなものなのでしょうか。
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
Contents
配当所得に係る申告不要とは?
文字通り、確定申告が不要
申告不要とは、文字通り確定申告が不要なもので、収入欄等に記載したり、特例を受ける旨の記載も必要ありません。
本当に、確定申告書上に出てこないものですね。
当初申告で申告不要にして、修正申告等で申告することは可能なの?
それでは、配当所得が申告不要にすることが可能なのは分かりましたが、当初申告で申告不要にし、修正申告等で申告不要にすることは可能なのでしょうか。
今回は、参考に当初申告で申告不要を選択し、修正申告等で申告を行うことが可能か否かについて争った裁決事例を紹介します。
出典:国税不服審判所ホームページ(令和1年11月28日裁決・争点番号200702990)
裁決事例集№117 https://www.kfs.go.jp/cgi-bin/sysrch/prj/web/pub/ks/id/46334
令和1年11月28日裁決・当初申告で申告不要した配当所得を修正申告等で申告することは可能か否かで争った裁決事例
請求人(納税者側)の主張
自分は、当初の確定申告で配当所得を申告しないことを選択した。
ただ、租税特別措置法に規定する確定申告を要しない配当所得等について、これに係る配当所得等の金額を除外したところにより確定申告をすることが出来る旨を規定している。
ここでいう確定申告とは、当初の確定申告だけでなく、修正申告も含まれる。
よって、当初の確定申告では申告不要を選択していても、修正申告では配当所得を申告することは可能である。
原処分庁(税務署側)の主張
当該規定は、納税者が確定申告をする場合にはおいて、上場株式等に係る配当所得の金額を申告不要にするか否か、納税者の選択に委ねている趣旨である。
納税者は、当初の確定申告において、配当所得は申告不要として申告している。また、修正申告は、当初の確定申告を前提としてなされるものである。
そのため、当初の確定申告において、申告不要を選択した場合、それを前提とした修正申告になるため、修正申告時に配当所得を申告することは出来ない。
結論
一部取消し(申告不要になる)
本裁決のポイント
修正申告等は、当初の確定申告を前提とし、その判断が尊重される
今回のポイントとして、配当所得の申告不要に規定する確定申告が、修正申告まで含まれているという納税者の主張に対して、修正申告は当初の確定申告を前提としているものだから、当初の納税者の判断を適用するものという原処分庁の主張でした。
修正申告は、当初の確定申告があって初めて成立するもの。そのため、修正申告については、当初の確定申告の内容を前提として進めるとのことです。
そのため、特に間違っていない申告不要の配当所得については、修正申告で申告することは出来ないとの判断でした。
当初の申告が遵守されるということですね。
配当所得は難しい
配当所得は、申告不要と申告分離と総合課税の3つの申告方法から選択ができます。
しかし、前述のとおり、一度選択すると、修正申告での変更は難しいとのこと。
難しい配当所得。当初の確定申告でしっかりと検討していきましょう。
まとめ
・当初の確定申告で行った申告方法が遵守される
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
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このページの執筆者
立川のネコ好き税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。