こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
この度、青色申告会にて行われる、記帳指導の講師を担当させていただけることになりました。とてもありがたいですね。
記帳は事業状況の分析に役立つ貴重な資料。
事業所得がある方は、記帳を作成・保存しなければいけません。
改めて、記帳義務について確認していきましょう。
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。また、確定申告依頼のサービスも提供しております。不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
Contents
そもそも、記帳とはなんだろう
記帳とは、その名の通り、帳簿を記録することを言います。
帳簿にはたくさん種類があり、大まかな分類は以下の通り
- 主要簿:総勘定元帳・仕入帳
- 補助簿:現金出納帳・預金帳・売上帳・仕入帳・固定資産台帳等々
以前、帳簿書類については詳しく解説していますので、こちらを参照していただけると幸いです。
記帳義務ってどんなもの?
事業所得・不動産所得・山林所得がある方は、帳簿を作成しなければならない!
自分で事業(規模に関わらず)を行っている方は、帳簿を作成しなければなりません。
帳簿と聞くとすごく難しく感じますが、以下のように意外と身近にあるものも多くあります。
- 現金の入出金を記録したノート
- 売上をまとめたノート
- 事業用の通帳口座
作成が必要となる帳簿については、各納税者の状況毎に異なるので注意しましょう。
作成した帳簿は、保存しておかなければならない!
帳簿を作成しました!作成したからもう破棄していいよね!ということではなく、帳簿を作成したら一定期間保存しておかなければなりません。
作成&保存で1つの義務となっています。
どうして帳簿を作成・保存しておかないといけないの?
日本では、納税者が自分で税額計算を行って納税する、申告納税制度を採用しています。
自らが正しく税額計算をするためには、自分が1年間でいくらの収入・経費があったのかを正確に把握し、利益を認識する必要があります。
しかし、人の記憶はおぼろげなもので、記憶に頼った申告では正しい申告をするのは、ほぼ不可能です。
記憶ではなく記録に残す。
日々の取引の状況をしっかり記帳しなければ、1年間の収入・経費の把握なんて無理だし、税金計算何て出来ないよね、等々の理由により、帳簿の作成・保存が義務づけられています。
青色申告者の記帳義務!
原則的には、正規の簿記の原則を使用により記帳
青色申告を行っている場合には、原則として、正規の簿記の原則を使用して記帳を行います。
ざっくりいうと、日々の取引全てを仕訳で記録していく必要があります。
その結果作成される帳簿が、主要簿と言われる以下の2点
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
こちらの内容についても、詳しくは以下の記事を参照してもらえると嬉しいです。
但し、簡易帳簿で記帳しても大丈夫
青色申告の場合、仕訳をしなくても、簡易帳簿で記帳を行っても良いことになっています。
現金の動きだけを追った現金出納帳などが該当します。現金出納帳は、結構大変なのでそこまで簡易ではないですので注意しましょう。
但し、簡易帳簿だけで記帳義務を済ませた場合には、手間がかからない分、青色申告特別控除の額がガクッと下がります。その結果、納税額が原則に比べると増加するケースも多くあります。
簡易帳簿で済ませて納税を行うより、税理士に依頼して青色申告特別控除をフルに使用して税金を減らした方が、結果として手元に残るお金が多くなるケースも少なくありません。
迷ったら、是非一度税理士さんにご相談をお勧めします。
上記の帳簿作成の基になった領収書等も保管しておく
文房具を購入して、現金がこれだけ減った。
等々、現金の動きを記録するために参考にした領収書等も保存しておく義務があります。
記録したから破棄していいよね!という訳ではないので注意です。
保存期間
上記の帳簿や領収書等は、種類によって7年間又は5年間保存しなければいけません。
白色申告者の記帳義務!
収入や必要経費を記載した帳簿を作成・保存する
白色申告の場合であっても、申告納税制度を鑑みれば記帳義務は必要となります。
こちらの場合でも、法定帳簿と呼ばれる、収入や経費に関する事項をまとめた帳簿書類を作成しなければいけません。
但し、こちらも白色申告を使用し、自分で簡単に済ませるより、税理士さんに依頼して青色申告特別控除を使用して税額を減らす方が、結果として手元にお金が残るケースも多々あります。
白色申告の場合には、もし青色申告にしたらどれだけ税額が変化するのか確認することをお勧めします。
雑所得の場合は?
基本的には必要ない
ウーバーイーツ収入などを雑所得で行っているなど、雑所得の場合には、現段階においては基本的には帳簿の作成は必要ありません。
令和4年分以後、必要になる
但し、令和4年分以後は、一定の条件を満たす雑所得の方は、一部の領収書の保存などが必要になってきます。
最近話題になった、本業なのに雑所得といった方々は該当するケースがありますので、注意しましょう。
正しく記帳を作成し、来年以降の事業に役立てよう
帳簿作成は、義務だから作成するのではなく、事業主たる自分自身のために作成するものになります。
適切に作成された記録を確認・参考にし、来年以降の事業に活用させていくことが大切です。
義務だから作成するのではなく、自分の事業のために作成し、役立てることを目的に作成しましょう。
まとめ
・事業を行っている方は、規模に関係なく帳簿作成・保存の義務がある。
・帳簿書類は7年又は5年の保存が必要。
・作成した帳簿を基に、来年以降の事業に役立てよう。
当事務所では、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
また、確定申告依頼のサービスも提供しております。
不明点等ございましたら、ご検討いただければと思います。
このページの執筆者
立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。