コラム

未来税制・改正により還付申告の場合には所得税の確定申告義務がなくなります【確定申告・個人事業主】

ジャガーネコ
ジャガーネコ
令和4年以降、所得税が還付される場合には確定申告義務がなくなるらしいよ!
ミケ君
ミケ君
えっ!今まで確定申告義務あったの!?
ジャガーネコ
ジャガーネコ
それが通常の反応の気がする。

こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。

令和4年1月1日に申告期限が到来する確定申告(令和3年度分の確定申告)以降、所得税の確定申告に係る改正で、還付申告の場合には確定申告義務がなくなりました!

……むしろ今まで義務があった方が疑問に思う方が多そうな印象があります。

※このページで紹介する内容は、令和4年以降に申告期限の到来する所得税の確定申告を対象に施行となります。

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。

令和4年度以降、還付申告の場合には所得税の確定申告義務がなくなる!

改正の趣旨

令和4年度(令和3年分の確定申告)以降、所得税が還付される場合には所得税の確定申告義務はなくなります。

改正の趣旨としては、新型コロナウィルス感染症の影響等を受け、税務署への来訪者の削減などを目的とし、今までは還付であっても申告が必要だったものを不必要にしようというものです。

ちなみに改正前の規定はどうなっているの?

改正前では、所得税額が配当控除額を超えている場合には還付であろうとも所得税の確定申告義務はありました。

無申告の場合に税務調査に来て、還付の決定をするケースはあまり考えられませんが、規定上は確定申告を行う必要があります。

還付申告が起こる場合はどんな時?

還付申告が起こるのは、所得税額よりも予定納税・源泉徴収税額(後は非常に特殊なケースだけど外国税額控除も)が上回る場合です。

基本的には、概算で前払いした税金が、本来の税額を上回っていた場合に返還を受ける場合ですね。

……いや、それなら確定申告義務なくても確定申告するよね。

実務的には、還付申告でも確定申告する

還付金がもらえるなら確定申告するよね

逆説的ではありますが、還付金がもらえるなら義務がなくても確定申告しますよね。むしろ、還付申告の方が喜々として申告をするケースの方が多く感じます。

所得税の確定申告で還付金になるケースは、前述のとおり所得税を多く納めすぎているからであって、多く税金を納めたい方は多くはありません。

それらの税額を適正にし、還付金を受けることが出来るなら、義務がなくても確定申告しますよね。

そもそも、住民税の方は確定申告しなければいけなそう

源泉徴収は住民税は行わない場合が多いし、予定納税は行われない

前述のとおり、還付金は源泉徴収や予定納税があって行われるケースがほとんどです。

ここで忘れてはいけないのが、所得税と似た計算パターンの住民税。住民税では、ほとんど源泉徴収がありません。利子・配当ぐらいでしょうか。

例えば、私の職種である税理士は、報酬を受け取る際に所得税10.21%の源泉徴収が行われますが、住民税の源泉徴収は行われません。

住民税の還付は、ハードルがとても高いです。

所得税が還付でも、住民税が還付になるケース多くない

上記のように、所得税が還付であっても、住民税は還付申告にならないケースは非常に多いです。

このような場合、「じゃあ所得税は還付申告で義務がないから住民税と有利判定を……」と考えてはいけません。所得税と住民税は別物ですから、所得税で確定申告義務なし=住民税も確定申告義務なしとは限らないのです。

所得税が還付申告で義務がない!だけど住民税は確定申告義務があるから住民税の確定申告だけやろう!とはならないでしょう。同じ手間をかけて還付金だけもらわない選択肢を取る方はいないのではないでしょうか。

還付申告だからこそ確定申告を行いましょう

上記のように、還付金自体の性質や住民税との兼ね合いもあり、所得税の還付申告であっても基本的に確定申告は行いましょう。

むしろ、還付だからこそ確定申告を行いましょう。納付ではなくお金が戻ってくるための申告ならばモチベーションも上がるものです。

確定申告をすれば、公的な収入書類にもなりますしね。

義務に惑わされず、確定申告は目的持って行いましょう。

出典

財務省HP令和3年度税制改正の解説・所得税法等の改正https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2021/explanation/p085-139.pdf

まとめ

還付申告の場合には所得税の確定申告義務なしのまとめ

・還付の場合には所得税の確定申告義務はないが、基本的に行った方が良い

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
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このページの執筆者

立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史

※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。