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【消費税】納税義務者の特例の計算期間を解説【個人事業主・フリーランス】

ジャガーネコ
ジャガーネコ
前回は課税事業者の選択の特例とかについて解説していったね!
ミケ君
ミケ君
還付をするために消費税の納税義務者になることを選択するなんてね。でも、選択しなければ特にないのかな!
ジャガーネコ
ジャガーネコ
いくつか他にも特例があるね
ミケ君
ミケ君
猫又の尻尾並に特例があるね
ジャガーネコ
ジャガーネコ
2つ以上あるよ

前回までは課税事業者の選択の特例について解説していきました。

2年前の売上が1,000万円以下であっても、還付を受ける目的などで、課税事業者選択届出書を提出することにより消費税の納税義務者になることが可能でした。

この特例では、自らが消費税の納税義務者になることを選択している形でしたが、他にも、消費税の納税義務者になる特例はあるのでしょうか?

※本内容は、個人の方向けに作成しています。

2年前の売上が1,000万円以下でも消費税の納税義務者になることがある

個人事業者が検討するのは2つの特例

開業時など、2年前の売上が1,000万円以下の場合には、消費税の納税義務者にならないため、消費税を検討する必要はありませんでした。

しかし、2年前の売上が1,000万円以下であっても、消費税の納税義務者になる特例が存在します。

それが以下の2点

  • 前年等の特例
  • 相続の特例

これらの特例に該当するとどうなるの?

上記2点の特例に該当する場合、2年前の売上が1,000万円以下であっても、消費税の納税義務者に該当し、消費税を検討しなければなりません。

2年前の売上が0円だから消費税は検討しなくて大丈夫!と思っていたら実は特例に該当しており、無申告になってしまっていた、という事例もあるので注意しましょう。

2年前だけではなく、前年の売上でも消費税の判定を行う!

概要

消費税の判定の際、2年前の売上が1,000万円以下、というワードは何度も出てきましたが

実は、1年前の売上についても、1月~6月の期間で1,000万円以下かどうかの判定を行います。

この期間中の売上が1,000万円を超えていた場合、消費税の納税義務者に該当し、消費税について検討しなければならないので注意です。

判定する期間は半年間ですが、特に1年に直したりはしません。純粋に半年の売上が1,000万円を超えているかどうかにより判定を行います。

売上ではなく、お給料でも判定できる

前年で判定を行う場合、売上金額に代えて、1月~6月中に支払ったお給料でも判定を行うことが出来ます。

売上で判定を行うか、お給料で判定を行うかは、自由に選択出来ます。

個人事業主の自分に対する生活費はお給料ではない

事業に対するお金と生活費に対するお金をきっちり区別している方の中には、事業での収入から、自分に対してお給料を支払い、その金額を生活費としている方もいらっしゃいます。

個人事業主の方の場合、自分自身に対するお金の支払はお給料という形にはならないので、上記のお給料での判定には含めないので注意です。

ざっくり判定

ざっくりと、判定を行う場合には、まずお給料の支払額から見ていくことをお勧めします。

1月~6月の間にお給料を1,000万円支払っていない場合には、この特例で納税義務は課されません。

個人事業主の方で、半年間に1,000万円もお給料を支払うことはあまりないので、基本的にこの特例で納税義務があることになるケースは少ないです。

前年の売上の特例の内容

内容

この特例に該当する場合、2年前の売上が1,000万円以下であっても、消費税の納税義務者になる

判定判定期間

1年前の1月~6月

判定金額

上記期間の売上又は支払ったお給料の金額が1,000万円を超えるか否か

具体例

1月~6月の売上金額800万・給与支払額500万

売上も給与支払額も1,000万円以下のため納税義務なし

1月~6月の売上金額1,200万・給与支払額1,200万

売上も給与支払額も1,000万円を超えているので、納税義務あり

1月~6月の売上金額1,200万・給与支払額500万

売上が1,000万円を超えているが、給与支払額が1,000万円以下のため

この特例で、納税義務者になることも出来るし、ならないことも出来る

1月~6月の売上金額800万・給与支払額1,500万

売上が1,000万円以下だが、給与支払額が1,000万円を超えているため

この特例で、納税義務者になることも出来るし、ならないことも出来る

あまり使用する機会がない特例?

半年間売上と給与支払額がどちらも1,000万円以上でなければ納税義務者にならない

上記のように、1,000万円の判定を行う際は、売上が給与支払額のどちらかを任意で選択することが可能です。

強制的に納税義務者になる場合は、半年間での売上と給与支払額どちらも1,000万円を超えている状況。そのような状況はあまり多くはないので、実は意外と使用する機会の少ない特例だったりします。

お給料を1,000万円以上支払ってわざと納税義務者になる?

前回紹介した、課税事業者の選択の特例を使用すると、2年間は納税義務者として継続しなければなりません!

なら、お給料で1,000万円払えば制限に縛られずに納税義務者の有無を操作出来る!と感じるかもしれませんが、以下のような理由からあまりお勧めしません。

  • 売上が1,000万円未満なのにお給料で1,000万円支払ったらそれだけで赤字になる
  • お給料をもらった側の所得税や社会保険料などの金額も上昇する

消費税のことだけではなく、全体的に俯瞰的に確認するのが大切です。

まとめ

  • 2年前の売上が1,000万円以下であっても、前年の半年間の売上と給与支払額が1,000万円を超えている場合には納税義務者になる
  • 半年間の金額で検討し、年換算はしない
  • 売上が1,000万円を超えていても、お給料が超えていなければ納税義務者にならない選択が出来る。

このページの執筆者

立川の個人・相続税特化の20代税理士 藤本悟史

※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。

次回予告

ミケ君
ミケ君
相続の特例もあるんだよね
ジャガーネコ
ジャガーネコ
相続の特例について解説していこう!