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取得日の契約日と引渡日で分離長期か分離短期か異なる場合で争った裁決事例【確定申告・不動産譲渡】

ジャガーネコ
ジャガーネコ
不動産の売却については、所有期間によって税率が異なるよ!
ミケ君
ミケ君
石の上にも5年ってやつね。
ジャガーネコ
ジャガーネコ
所有期間は5年だけど……ことわざは間違ってる。

こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。

ここからは確定申告の時期ですね。

確定申告といえば、事業所得や不動産所得の印象が強いですが、それと同じだけ大きなウェイトをしめているのが不動産の売却。

不動産の売却については、税率は一定なのですが、所有期間に応じて税率が異なります。

それでは、それぞれどんな税率なのでしょうか。

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。

不動産の売却については、所有期間によって税率が異なる

その年1月1日において5年超か5年以内かで異なる

不動産売却に係る税率については、その年1月1日において所有期間が5年超か5年以内かによって異なります。

各税率は以下のとおり(住民税及び復興特別所得税無しの場合)。

5年超:15%(分離長期譲渡所得)

5年以内:30%(分離短期譲渡所得)

上記のように、約2倍の差があることが分かります。

それでは、譲渡日はどんなものがあるのでしょうか。

譲渡日は売買契約日や引渡日から選択できる

譲渡日については、基本的には引渡日になりますが、納税者の選択により売買契約日を譲渡日にすることが出来ます。

こちらについては、内訳書に譲渡日を記入することでその譲渡日を選択したことになります。

逆に、取得日も売買契約日や引渡日から選択できる

上記は売却側の話ですが、取得日についても同様に選択することが可能です。

それでは、上記の2つの時点において税率が異なる場合、15%でやり直すことができるのでしょうか。

これについて争った裁決事例を紹介します。

出典

出典:国税不服審判所ホームページ(令和3年4月2日裁決・争点番号201399000)

なお、裁決事例集には登載されておりません。

令和3年4月2日裁決・購入日の基準で分離短期か長期かで争った裁決事例

請求人(納税者側)の主張

所有していたマンションを譲渡し、自分は本件マンションの購入費を譲渡日であると選択して分離短期譲渡所得として申告を行った。

ただ、確定申告の指導担当職員から取得の日の選択について適切に説明等を受けていれば本件マンションの取得日を売買契約日と選択して、分離長期譲渡所得にて申告を行った。

よって、本件マンションの譲渡は分離長期譲渡所得である。

原処分庁(税務署側)の主張

請求人は、譲渡所得の内訳書に本件マンションの購入年月日を引き渡しがあった日を購入年月日として記載し、確定申告書に添付している。

よって、資産の引渡しがあった日を本件マンションの取得の日として申告したものと認められる。

そうすると、本件マンションの譲渡は所有期間が5年を超えるものには該当しない。

なお、申告納税制度の下では、仮に指導担当職員からの取得の日の選択について説明等がない場合であっても、適正な申告義務が免れるものではない。

よって、本件マンションの譲渡は分離短期譲渡所得である。

結論

棄却(分離短期譲渡所得・30%の税率)

本裁決のポイント

自らが選択した方法が遵守され、指導担当職員からの説明の有無は関係ない

今回のポイントは、当初の申告時における内訳書記載の本件マンションの購入年月日を引渡日としていたことでした。

不動産取得の基本的な流れは、「売買契約→引渡」のため、売買契約日の方が取得日は後になります。

ただ、請求人はそれを知らずに引渡日を購入年月日と記載した結果、所有期間が5年以内となり分離短期譲渡所得に該当してしまったということですね。

分離長期譲渡所得の方が明らかに有利ですが、当初に選択した方法が遵守され分離短期譲渡所得に該当するとのこと。また、指導担当職員からの説明がなかった点についても、申告納税制度の下では適正な申告義務が免れないとのこと。

知らなかったではすまされない、ですね。

意外と見落としやすいけど大切な購入日・譲渡日

不動産の売買については、その年1月1日における所有期間のため、購入費・譲渡日が年を跨がなければ税率については基本的に影響ありません。

普段はそこまで気にしないところではありますが、今回のケースでは税額に2倍の差が出てしまうところ。

知らなかったではすまされない。適正な申告義務を果たして、適正な納税額を納めましょう。

まとめ

取得日で争った事例のまとめ

・当初に内訳書に記載した日が遵守される

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
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このページの執筆者

立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史

※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。