こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。
近年話題になっている消費税。令和4年の流行語大賞にノミネートされるくらいインボイス制度の知名度が高いです。
そんな消費税の計算ですが、どのように行うのでしょうか。
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
Contents
消費税の計算方法
消費税の計算では、預かった消費税(売上に係る消費税)から支払った消費税(仕入れに係る消費税)を差引いて税額計算を行います。
そのため、売上が多くあれば納付する消費税は多くなり、仕入れが多くあれば納付する消費税は少なくなる、といった計算内容になっています。
これは、消費税は消費者から預かって納付するという消費税の仕組上、多段階累積控除の考え方を取っているからですね。
それなら、法人の役員の個人的な支出も対象になる?
それなら、法人のその役員の個人的な支出も支払った消費税になり、消費税額は減少るするのでしょうか。
今回は、そちらで争った裁決事例を紹介します。
出典
出典:国税不服審判所ホームページ(令和4年5月19日裁決・争点番号500601010)
なお、裁決事例集には登載されておりません。
令和4年5月19日裁決・役員が個人的に負担すべき支出は課税仕入れに係る支払対価の額には該当しないとした裁決事例
請求人(納税者側)の主張
請求人である法人の副社長(本件役員)に対して、法人は高級婦人服等の服飾品等及び宝飾品等の購入並びに英会話・ボイストレーニング等のレッスン受講等(本件各購入等)などを支出した。
これらの支出は、経営方針として役員のスキルアップや取引先等への贈答品や非常用資産の購入など、事業遂行上必要なものである。
そのため、これは課税仕入れに係る支払対価の額に該当する。
原処分庁(税務署側)の主張
本件各購入費は、本件役員が個人的に負担するべきもの(法人が負担するべきものではない)である。
よって、本件支出額は、課税仕入れに係る支払対価の額には該当しない。
結論
棄却(課税仕入れに係る支払対価の額に該当しない。)
本裁決のポイント
法人が事業遂行上必要な経費ではなく、役員が個人的に負担するべき支出
本件のポイントとしては、その支出が法人が負担するべきものなのか、役員の個人的な支出なのかがポイントでした。
役員側は、経営方針のスキルアップ等と主張し、法人の経費性を主張していましたが、結論としては、役員の個人的な支出という判断ですね。
内容について、高級婦人服等の服飾品等及び宝飾品等の購入並びに英会話・ボイストレーニング等のレッスン受講等といった内容から、この副社長は女性だったのでしょうか。
職種にもよりますが、個人性が強そうな内容ではあり、法人がその事業性に係ると主張するのは厳しかったのかもしれないですね。
なお、使用人等に対する給与の現物丘隅は課税仕入れに該当する可能性もある
ちなみに、上記については課税仕入れに係る支払対価の額に算入はされませんでしたが、給与のうち現物給付する資産を購入するケースもあるかと思います。
資産の現物給付を行った場合、それは所得税の給与に該当するケースもあります。ただ、消費税的には、所得税で給与に該当するかは関係なく、その取得が事業としての資産の譲受けに該当するかどうかを基礎に判定を行います。
そのため、給与を現物給付する場合でも、課税仕入れに係る支払対価の額にされる場合もあるので注意しましょう。
法人に個人的な支出はなるべくさせないように
法人は役員などとは別の人格になります。
法人のお金=役員のお金と認識してしまうケースもあるのですが、これら2つの存在は別のものになります。
法人の支出と個人の支出は混ざらないように注意しましょう。
まとめ
・個人的な支出は、仕入税額控除の計算の基礎にならない
当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
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このページの執筆者
立川のネコ好き税理士 藤本悟史
※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。