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確定申告で納税者が申告納税制度上、勝手に有利な取扱いを使用した事例【確定申告・個人事業主】

ジャガーネコ
ジャガーネコ
確定申告では色々なルールが決まってるよ。所得控除が各所得から控除出来る順序もそのうちの1つだね。
ミケ君
ミケ君
有利だからといって、順序を無視して好きな所得から控除出来ないってこと?ご飯の順序を守らない近所のネコにも適用されるかな?
ジャガーネコ
ジャガーネコ
民事不介入だから……。

こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。

確定申告の足音が聞こえてきましたね。いい足音なのか悪い足音なのかは個人の方にもよるのが厳しいところ。

確定申告の計算上では、所得控除という概念があります。個別事情を反映させて、より担税力に合わせた課税を行うところですね。

代表的なものでは、医療費控除や配偶者控除など。

今日の日本では、事業所得や給与所得といった総合課税される所得の他、不動産の売却や有価証券の売却等、分離で課税が行われるものがあります。

それでは、所得控除はどの所得から控除するのか定められているのでしょうか。

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。

所得控除はどの所得から順番に控除するか定められている

総合課税や分離課税といった種類が存在する

所得税には、事業所得や給与所得といった各種所得の他、他の所得と総合して超過累進税率で課税を行う総合課税と、他の所得と区分して課税を行う分離課税が存在します。

区分して課税が行われている都合上、当然、適用税率にも違いがあります。

そのため、所得控除をどこから控除するかで納付税額にも差が生じます。

それでは、所得控除の控除の順番は定められているのでしょうか。

基本的には、総所得金額→分離短期(不動産)→分離長期(不動産)・・・

所得控除の控除の順番については、まずは総所得金額から控除し、次に不動産の分離短期から控除し……というように控除の順番が定められています。

総所得金額は超過累進税率・不動産の分離短期は30%という税率のため、これらの金額から控除していく順序は、基本的により納税者の税負担が減少するような順番で設けられています。

しかし、所得の金額によっては、必ずしも上記の順番で有利になるとは限りません。

所得税は申告納税制度を前提とし、納税者の判断が尊重される。それなら、所得控除の順序も勝手に決めていい?

所得税は申告納税制度を前提としており、課税方法にいくつかの選択肢がある場合には、納税者の判断が尊重されることになっています。

それでは、上記の所得控除について、法令上の順序では不利になってしまうため、納税者の判断で順序を勝手に決めても良いのでしょうか。

今回は、自主申告納税の基で上記のようなことで争った裁決事例について紹介します。

出典

出典:国税不服審判所ホームページ(令和3年3月10日裁決・争点番号201899000)

なお、裁決事例集には登載されておりません。

令和3年3月10日裁決・自主申告納税を基盤としているのだから、所得控除の順番を好きに決めていいかで争った裁決事例

請求人(納税者側)の主張

所得税が採用している申告納税制度は、自主申告納税を基盤とし、納税者自らの判断が重要視される。

今回、所得控除の順番を法令上の順番で行うと課税上不利となってしまう。そのため、納税者が不利となる課税上の弊害が伴う場合には、納税者が自ら選択した所得控除の順序を認めるべきである。

原処分庁(税務署側)の主張

申告納税制度の下では、納税者が十分な検討をした上で、自身の判断と責任において、法令の規定に従って適正に申告し納税する義務を行うものである。

納税者の判断で法令を無視することではない。

租税法律主義の下で合法性が強く要請される租税法律関係においては、法令の規定に基づかないことを認めることは出来ない。

よって、所得控除の順番は、法令通りに行う。

結論

棄却(所得控除の順番は法令通りに行う)

本裁決のポイント

申告納税制度は納税者が勝手に判断していい制度ではなく、法令に従い納税者が申告する制度

請求人は、申告納税制度の下、納税者が不利となる課税上の弊害が伴う場合には法令に縛られずに納税者の判断で申告が行えるものと主張しました。

しかし、申告納税制度はそのような制度ではなく、自身の判断と責任において法令の規定に従って適正に申告・納税する義務を負うものです。

そのため、自身に課税上の弊害があるからといって、法令の規定に基づかないものを認めることは出来ず、今回、法令で定められている所得控除の順番を覆すことは出来ませんでした。

租税法律主義の基、合法性が強く要請される

上記のように納税者がそれぞれで好きな判断をすると認めてしまうと、課税の公平性も保てずに無法地帯になってしまいます。

申告納税制度は、租税法律主義の下で合法性が強く要請されます。

申告納税制度だからこそ、しっかり理解することが必要となる

納税者が自ら申告するから何でもいいという訳ではなく、自分で申告するからこそしっかりと法令を理解することが必要になります。

今後始まる確定申告。しっかりと法令を理解し、それに従って行うように注意しましょう。

まとめ

申告納税制度の下での適用規定のまとめ

・法令の規定に基づかないことを認めることは出来ない

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
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このページの執筆者

立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史

※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。