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非課税売上がある場合の水道光熱費の個別対応共通対応【確定申告・個人事業主】

ジャガーネコ
ジャガーネコ
仕入税額控除の計算では個別対応方式というものがあるよ。課税売上や非課税売上に対応するか否かで取扱いが異なるんだね。
ミケ君
ミケ君
売上に対する対応か。明確になっていない場合にはどうなるの?
ジャガーネコ
ジャガーネコ
その場合には共通対応かな!共通対応か課税対応かで争った裁決事例を見ていこう!

こんにちは。立川のネコ好き税理士、藤本です。

消費税の計算の中で行う仕入税額控除。原則課税や簡易課税など色々な計算方法がありますね。

原則課税で仕入税額控除を行う場合、一定の要件に該当すると、課税仕入れの売上の対応によって区分経理が必要になります。

それでは、どんなものがあるのでしょうか。

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。

仕入税額控除の区分経理とは

課税対応、その他対応、共通対応の3種類

一定の要件に該当する場合には、仕入税額控除の計算上、課税対応・その他対応・共通対応のいずれかに区分する必要があります。

それぞれの内容としては下記のとおり。

①課税対応→課税売上に対応する経費

②その他対応→非課税売上に対応する経費

③共通対応→両方に対応する又は区分不明な経費

それでは、どれが一番納税者側からすると有利なのでしょうか。

課税対応が一番納税者に有利になる

上記の3つの区分経理のうち、課税対応の経費が最も納税者に有利になります。

その他対応の場合、全く控除出来ない場面・共通対応の場合には一部控除出来ない場面等があります。

課税対応の場合、全額が控除出来る場面が多いですので、課税対応の経費が消費税の計算上では最も有利になりますね。

分かりやすい課税対応の場合には問題ないかと思いますが、極小ではあるが非課税売上も事業上で生じている場合、区分が不明確な場合にはどうなるのでしょうか。

非課税売上もあるけれど、極小の場合に水道光熱費はどうなる?

例えば、非課税売上が預金利息のみの場合で、店舗に係る水道光熱費はどのような対応関係はどうなるのでしょうか。

参考に、非課税売上が極小の場合で店舗に係る水道光熱費の対応関係について争った裁決事例について確認していきます。

出典

出典:国税不服審判所ホームページ(令和2年6月18日裁決・争点番号500601050)

なお、裁決事例集には登載されておりません。

令和3年6月18日裁決・店舗における水道高熱費が課税対応か共通対応可で争った裁決事例

請求人(納税者側)の主張

店舗に係る水道光熱費等について、本件店舗における非課税資産譲渡の金額が、店舗全体の売上金額に比して極めて少額であること。

また、本件店舗については、非課税資産に関し何らの物理的費用を要していない。

そのため、仕入税額控除の計算上、当該水道光熱費については、個別対応方式の計算上では課税対応に該当する。

原処分庁(税務署側)の主張

水道光熱費等は、共通対応に該当すると認められる一方、非課税資産の譲渡等の金額が極小であるからといって課税対応に区分する法令上の規定はない。

また、本件店舗において、非課税資産の譲渡を行っていることからすると、当該非課税資産に関し何らの物理的費用を要していないとは認められない。

そして、合理的に区分した場合については、課税対応非課税対応で区分できるところ、請求人はその合理的区分も行っていない。

よって、本件水道光熱費は、共通対応に区分される。

結論

棄却(共通対応に区分される)

本裁決のポイント

非課税資産に関し何らの物理的費用を要していないとは認められない

今回、請求人は「非課税売上は極小である旨。店舗は非課税資産に対して物理的費用を要していない」と主張した。しかし、それぞれに対して、原処分庁は以下のように対応した。

①非課税売上が極小だからといって課税対応とする規定はない

②店舗において非課税資産の譲渡を行っていることから非課税資産に対して物理的費用を要していないとは認められない

極小ではあっても、店舗で非課税資産の譲渡を行っているため、水道光熱費等は当然のように共通対応に区分されるということですね(切手の販売等をしていたのでしょうか。)。

また、極小だからといって課税対応になるような規定もなく、金額の多寡に関わらず、共通対応は共通対応に該当するとのことです。

課税対応とその他対応とに明確に区分している必要がある

上記のような水道光熱費であっても、課税対応とその他対応とに明確に区分されている場合には、その区分に応じた対応とすることが出来ます。

しかし、今回はその区分も行っていなかったことから、共通対応に該当するということになりました。

消費税が入ってくると途端に会計処理が難しくなる

今回のように消費税処理が介入する場合には、その経費がどの売上に対応するかまで検討する必要があります。

今後、インボイス制度が導入されれば、消費税の処理が必要になる事業者様は増えることが想定されます。

消費税処理が入るだけで会計処理は一段階難しくなります。消費税処理も注意しながら会計処理を進めていきましょう。

まとめ

消費税の課税対応・共通対応で争った裁決事例のまとめ

・課税売上との対応が明確でなければ、共通対応に該当する

当事務所では、法人成りを検討している方や事業を始めたての方、これから規模を大きくしていきたい個人事業主、中小事業の方など幅広い視野を必要とする税務顧問を得意としております。
また、顧問契約や確定申告依頼までは必要ないけど、分からない部分だけ確認したい……という方のために単発でご相談出来るプランを用意しております。
お客様のご要望に併せてご提案させていただきますので、お気軽にお申し付けくださいませ。

このページの執筆者

立川のネコ好き20代税理士 藤本悟史

※内容に関する法令等は、更新日による施行法令を基に行っております。